児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

京都教育大の6人を処分保留で全員釈放へ 被害女性と示談成立

2/25 被疑事実(集団準強姦)
6/1 逮捕・否認
6/19 勾留理由開示
6/22 示談・告訴取下
6/22 釈放


 178条の2は親告罪ではありませんが、示談・告訴取下があると、重視されて、起訴猶予になることがあります。

第178条の2(集団強姦等)
二人以上の者が現場において共同して第百七十七条又は前条第二項の罪を犯したときは、四年以上の有期懲役に処する。
第180条(親告罪
第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

 検察統計でみても、
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Xlsdl.do?sinfid=000001255084
集団強姦116件中、41件が不起訴になっています
 (参考までに、児童ポルノ・児童買春は2436件中、140件が不起訴です)

 ということで、非親告罪の罪名でも、捜査弁護としては、示談をあきらめない。(言うのは簡単です。)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090622-00000571-san-soci
 この事件をめぐっては、2月25日午後9時ごろから10時ごろまでの間、京都市中京区の居酒屋で、酔って抵抗できない状態になった当時19歳の女子学生を店内の空き室に連れ込み乱暴したとして、集団準強姦の疑いで、6月1日、京都府警が京都教育大のアメリカンフットボール部やサッカー部などに所属していた学生6人を逮捕していた。調べに対し、6人は「合意の上だった」「女子大生は酩酊状態ではなかった」などとして容疑を否認していた。

追記
 統計上、被害者の希望としては、「そっとしておいて欲しい」というのが上位に来ているはずです。
 「社会的関心が高い」とかいって被害者のストレスをさておき書き立てているマスコミにとっては想定外でしょうが、性犯罪が示談で終結することはよくあるというか、相当な割合であることです。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009062300035&genre=C1&area=K00
想定外、突然の幕引き 京教大集団暴行 起訴猶予
 集団準女性暴行罪は被害者の告訴がなくても立件は可能だ。起訴を見送った地検は「立証が難しくなったのではなく、告訴の取り消しで被害者が処罰を望んでいないから」と強調する。しかし、告訴の取り消しによって、公判段階で女子大生の協力が得られなくなる可能性もあり、捜査側にとって想定外だった面は否めない。

 他方、全面的に容疑を否認していた6人が示談した事実は、少なくても6人に道義的な責任があったことの裏返しだとも言える。性暴力の被害者を支える「ウィメンズカウンセリング京都」の井上摩耶子代表は「刑事罰に問われなくとも、6人の取った行動は女性の性的自己決定権を奪う行為だ。告訴を取り消したことで、女子大生が心ないバッシングを受けないかが心配。周囲のケアは欠かせない」と気遣う。