児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

撮影型強制わいせつ罪で一部無罪(福岡地裁H20.2.4)

 児童を触ったり撮ったりという(準強制わいせつ・児童買春罪)の場合、撮影行為は社会見解上一個の行為とは言えないという東京高裁判決h19.11がありますが、それによれば、一個の訴因に数罪含むので、訴因不特定になります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000058-jij-soci
診察を装って患者にわいせつな行為をしたとして、準強制わいせつ罪に問われた産婦人科医(43)の判決公判が4日、福岡地裁で開かれ、鈴木浩美裁判長は懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役5年)を言い渡した。
 ただ、起訴された3件のうち有罪認定したのは2件。残り1件について、鈴木裁判長は「胸を触ることでしこりの所見を得た」として診察行為と判断。「女性が通常の診療行為をわいせつ行為と誤解した疑いを払しょくできない」として無罪とした。
 検察側は論告で「通常の内診方法から逸脱し、わいせつな意図に基づく行為であることは明らか」と指摘。これに対し、被告は「普通の診療でわいせつ行為はしていない」と無罪を主張していた。 

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20080204/20080204_023.shtml
判決によると、被告は2006年3、4月、同院で26歳と16歳(ともに当時)の女性2人を診察した際、顔と下半身をデジタルカメラで撮影するなどした。
 一方で、鈴木裁判長は当時17歳の少女に対する起訴事実を無罪とした理由について「周囲の発言で通常の診察をわいせつ行為と思い込んだ可能性を否定できない。(下半身の撮影も)画像を見せ、わいせつ意図があったとはいえない」と述べた。
 公判で検察側は「触り方が診療行為からかけ離れ、同意を得ずに患者の下半身の写真を撮っており、わいせつな意図があった」と指摘。被告は「正当な診療行為でわいせつな意図はない」と無罪を主張していた。

 控訴したようです。2人への強制わいせつで執行猶予がつくんですね。(-_-φ)

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080205k0000m040168000c.html
判決によると、被告は06年3〜4月、自身が院長を務める福岡市中央区大名のクリニックで、来院した当時26歳と16歳の女性2人に、診察を装って下半身を触ったり、下半身と顔をカメラで撮影した。
 一方、当時17歳の少女への行為について、判決は「少女が診察をわいせつ行為と誤解した可能性を払しょくできない」と指摘した。
被告側は、判決を不服として即日控訴した。

追記
 東京高裁h19.11.6を引用して訴因不特定の主張をしておけば、たぶん、問題ないという高裁判決になるので、上告理由が立つと思いました。
 公開されています
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20080229/1204245750
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20080220/1203484345