観念的競合にすると、常習的な盗撮行為の場合に、条例違反の常習犯規定が適用され、かすがい現象で、数回の性的姿態撮影罪・条例盗撮罪が科刑上一罪になってしまいます。
性的姿態撮影罪と重なる部分の条例盗撮罪は廃止されたという主張を用意しています。
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富山地方裁判所令和06年09月24日
第1 女性用下着を窃取する目的で、令和4年11月頃から令和5年1月頃までの間、2回にわたり、別紙の1記載の場所に所在する別紙の2(1)記載の被害者(以下「A」という。)方に、無施錠の玄関ドアから侵入し、その頃、同所において、A所有のショーツ合計2枚(時価合計約1000円相当)を窃取した
第2 正当な理由がないのに、令和6年6月8日午後4時33分頃、C市(以下略)所在のD1階食品館において、ひそかに、別紙の2(2)記載の被害者(以下「B」という。当時17歳)に対し、その後方から、所携のかばんに隠し入れた動画撮影状態のビデオカメラのレンズをBのスカート下方に差し向け、Bが身に着けている下着の臀部を覆っている部分を撮影するとともに、もって人に対し、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような行為をした
ものである。
(証拠の標目)
(法令の適用)
1 罰条
判示第1の行為(包括して)
住居侵入の点 刑法130条前段
窃盗の点 刑法235条
判示第2の行為
性的姿態等撮影の点 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律2条1項1号イ、同法附則2条前段
迷惑行為防止等条例違反の点 富山県迷惑行為等防止条例11条1項1号、3条1項2号
2 科刑上一罪の処理
判示第1の行為 刑法54条1項後段、10条(住居侵入と窃盗との間には手段結果の関係があるので、1罪として重い窃盗罪の刑で処断)
判示第2の行為 刑法54条1項前段、10条(1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから、1罪として重い性的姿態等撮影罪の刑で処断)
3 刑種の選択
判示各罪 いずれも懲役刑を選択
4 併合罪の処理 刑法45条前段、47条本文、10条(重い窃盗罪の刑に同法47条ただし書の制限内で法定の加重)
5 刑の執行猶予 刑法25条1項
(量刑の理由)
(裁判官 梅澤利昭)