児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

福島県青少年保護育成条例違反大法廷判決の事案も「会っている間は専ら性交に終始する」という関係だった

 「ホテルで遭ってホテルで別れ」はダメだと。

高橋省吾「福島県青少年保護育成条例違反 S60.10.23」最高裁判所判例解説刑事編昭和60年度
多数意見は、本件の被告人の行為が第二形態の性行為に当たるとの判断を示している。原判決認定の本件の事実関係を見ると、被告人と少女との関には本件行為までに相当期間にわたって一応付合いと見られるような関係があったようであるが、被告人は本件当時二六歳であったのに対し少女は高校一年に在学中の一六歳になったばかりの者であったこと、被告人は本件より四か月余り部に中学校を卒業したばかりの初対面の少女をドライブに誘って性交をしたのを手始めに、本件までに十数回にわたって自動車内等で性交を重ねており、しかも少女と会っている関は主として同様の行為を繰り返していて、少女と結婚するような話などは全くなかったことなどの事情が認められ、
このような両者の年齢、性交渉に至る経緯、両者間の付合いの態様等に徴すると、被告人の行為が第二形態の性行為に当たるとした多数意見の結論に格別異論はないと思われる。

最高裁判所刑事判例集 39巻6号 462頁 福岡高等裁判所S57.3.29
所論に鑑み記録を精査し、当審における事実取調の結果を参酌すると、確に被告人は、原審及び当審の各公判ではNと結婚することを前提として交際していたなどと、所論にそう弁明をしているが、他の証拠によれば、被告人は、昭和五六年三月下旬ころ、未だ中学を卒業したばかりの初対面の同女を、それと知りながらドライブに誘い、海岸で駐車さぜた自動車の中で「俺の女にならんか」と言って、いきなり性交をしたのを手始めに、本件までに少なくとも一五回以上も、主に車の中、ときに被告人方で同女と性交を重ねていること、しかも二人が会っている間は専ら性交に終始しており、結婚の話しなどしたことは全くなかったこと、本件の場合も同様であり、その後も五、六回性交していること、本件当時Nは高校一年に在学中のやっと一六歳になったばかりの少女であったこと等の事情が認められるのであって、以上の事情に徴すれば、被告人は、同女を単なる自己の性欲の対象としてしか扱っていなかったものと認めるほかはなく、被告人の弁明は措信し難い。この様な態様での性交が青少年を傷つけ、その健全な育成を図るうえで重大な障害となることは明らかであり、本件性交が本条例一O条一項にいう「淫行」に該当すると認めるのが相当である