児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

表現の自由を規制するようなこともしていかなければいけないのではないか

 東京都の「非実在児童」の話ですよね。虐待にはならないから表現の自由を規制する根拠ないと思います。

http://www.npsc.go.jp/report24/02-16.htm
定例委員会の開催状況
第1 日 時 平成24年2月16日(木)
午前10時00分〜午前11時45分
第2 出席者 松原委員長、長谷川、田尾、郄木、山本、前田各委員
長官、次長、官房長、生活安全局長、刑事局長、交通局長、
警備局長、情報通信局長
首席監察官、国家公安委員会会務官

(3)平成23年中の少年非行等の概要について生活安全局長から、「平成23年中の刑法犯少年の人口当たり検挙人員は、成人の約5倍で推移しており、特に再犯者率が引き続き増加して過去最高となったほか、少年非行の低年齢化が進行している状況にある。
また、児童虐待事件及び児童ポルノ事件の検挙が過去最多となった」旨の報告があった。
前田委員より、「少年非行に対して、警察としてできることを精一杯やっているということは分かるが、少年の場合、基本的に保護者がいることから、保護者に関するデータを少し分析に入れる必要があると思う。
非行を起こした少年だけを追いかけても、例えば、家庭が崩壊しているのか、一人っ子なのかなど、そういうことを度外視していると、根本的な再犯防止のための対策は打てないのではないか。
再犯で、また元のところへ戻って悪いことをしたというのは現象面であるが、家庭が崩壊していると帰るところがなく、どうしても元の仲間のところに戻ってしまうということになるのではないか。
だから違うところに戻さなければならないと思う。
そこは分析が必要である」旨の発言があり、生活安全局長から、「確かにいろいろな保護者がいる。
立ち直り支援を全国で展開しているが、その中でも、警察が直接関わる支援となると、『自分のところでやるからいいです』、『警察は結構です』などと同意しない保護者もいる。
警察としては、個別の事件において、少年の家庭環境を知ることができるので、これを参考に非行対策はやっているが、委員御指摘の点についてどのような形で分析をするのか、今後検討してまいりたい」旨の説明があった。
山本委員より、「児童ポルノ事件の被害児童について、昨年新たに特定された児童だけでも638人いるということは、もっと重く受け止めるべきではないか。
被害に遭った子どもは一生傷を負っていくことになることを考えると、取締りの手段が十分なのかどうか、東京都が青少年健全育成条例を改正する際、表現の自由の観点から慎重論があったことは承知しているが、年々児童が被害に遭っているという現状のままでいいのかと言えば、極めて大きい問題だろうと思う。
新しい摘発の手段を獲得するといったことも含めて、少し検討しなければならないのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「もちろん取締りは懸命に行っているところであるが、児童ポルノに関する情報を如何に収集するかということも大事であり、現在、ファイル共有ソフト事犯捜査専用のパソコンを全国警察に配備して情報収集、分析をするといったハード面の手当も順次進めているところである」旨の説明があった。
山本委員より、「表現の自由があるということは分かるが、児童ポルノの愛好者に対する配慮と、これだけの被害者を生んでいるということを比較したときに、どちらがどれだけ重要なのかということを考えれば、このような被害者を生まないために、表現の自由を規制するようなこともしていかなければいけないのではないかと感じている。
そのような発想で社会に訴えていくということも必要であると思う」旨の説明があった。
田尾委員より、「ネット上に出る児童ポルノについては、ファイル共有ソフトによるものがかなり多く、その対策は非常に難しいという報告を受けているが、対策はあまり変わっていないのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「サーバーを通じて行われているものであれば、インターネットホットラインセンターを通じていろいろな情報が集まり、それを端緒に全国で捜査を展開するということは、かなり進んでいる。
しかし、インターネットホットラインセンターに集まる児童ポルノに関する情報数は減ってきており、一時期に比べて約半減している状況にある。
これは、ファイル共有ソフトを利用する者が増えているということだと思うが、その対策については、ハード面では、先ほど申し上げた情報収集を進めるということであり、また、収集した情報を端緒に、関係府県で一斉に取締りを行うなど、工夫して進めていく必要があると思う」旨の説明があった。
田尾委員より、「インターネットホットラインセンターでは、ファイル共有ソフトを利用したものの情報は取り扱わないということであるが、インターネットホットラインセンターに、ファイル共有ソフトによる画像の把握という役割を担ってもらうことは考えられないのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「いろいろな方から情報が寄せられ、それらを確認して警察へ送付してもらうという作業になっているが、ファイル共有ソフトを一緒に扱うわけにはいかないということもあり、また、予算・体制等の問題もあることから、今のところ、ファイル共有ソフトによるものも含めて委託するということは考えていない」旨の説明があった。
郄木委員より、「昨年、四国管区内の公安委員会連絡協議会へ出席した際、聞いたところでは、共稼ぎの家庭にどうしても少年犯罪が起こる傾向が強いということであった。
そこで、例えば、地域における少年犯罪の問題について、警察署協議会で議論してもらうというような投げかけをしてみてはどうか。
各県では、警察や補導員など少年非行等の対策チームが一生懸命活動しているが、この問題には親や地域社会の問題がかなり関わっており、そこのところを警察署協議会で議論してもらったらどうかと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「警察署協議会では、警察署の方から状況や施策等について説明しており、その中に少年非行の問題も含まれているのではないかと思う。
その状況を確認しつつ、警察署協議会は、基本的には、地元の方々の関心や情勢に基づいた行政を警察署が行うというのが趣旨であると思われるが、警察からもさらに情報提供をして、関心を深めていただきたいと考える」旨の説明があった。
長谷川委員より、「人口が減ってきて、若い人たちの数が減ってきているが、若い人たちというのは、将来の日本の社会を担ってもらうための非常に重要な人的資源なのであり、若い人たちの中から、社会に害悪を及ぼし、ドロップアウトするような人たちの数を減らし、また、児童ポルノの被害に遭う子どもも減らして、健全に保つという努力を今まで以上にしていかなければ、きちんと働いてくれる良き市民の数が減ってしまう。
その辺りの総合的なことを考えるところが必要だと思う。
家族の問題や、地域で子どもをどのように守るのか、犯罪を犯したときに警察はどのように対応し、再犯はどのようにして防ぐのかといったこと全体について、縦割りではなく、子どもを取り巻く全体を見るところが必要であると思う。
児童相談所に警察職員を出向等させるということは、一つの連携だと思うが、もう少し何かできないのかと思う」旨の発言があり、長官から、「関係する機関が非常に多いという現状がある。
警察がまず少年の事件を取り扱って、裁判所に行ったり、児童自立支援施設に行ったり、少年院に行ったりと、いろいろなケースがあるが、それが終わったらもうケアをしない形になってしまっている。
これをもっとシームレスにそれぞれの機関の活動がオーバーラップしながら、子どもを取り扱った人たちが、ずっと後々まで面倒をみるようなことが必要だと思う。
例えば、少年院を出た後も、警察としてもなるべくケアをしようという努力はしており、もっと関係機関が互いに連携し合って行ければいいと思っている。
ただ、なかなか中心になるところがない状況であり、警察は最も現場を知っているので、そのような投げかけをしなければならないという問題意識は持っているが、関係機関が多すぎ、また、あまり警察が前面に出ることに抵抗を感じる方々もおられるので、難しい問題があると感じている」旨、生活安全局長から、「県によっては、警察が中心となり、関係機関と連携して、立ち直り支援や居場所づくりといった活動を積極的に進めているところがある。
昨年の全国公安委員会連絡協議会においても発表があった佐賀県などは、その一つの大変良い例であり、そのような例も全国にこれから紹介して進めてまいりたい」旨、長官から、「警察が補導した少年が入所する児童自立支援施設で運動会があった際などに、担当した警察官が見に行ってあげると、少年はすごく喜ぶということである。
やはり、少年に『ずっとみんなが見守っているよ』というメッセージを出し続けていくことが大切であると思う」旨の説明があった。
前田委員より、「非行のあった場所について、都市部とか地方とかいうデータはあるのか。
都市部に多いのではないかと思われるが、地域的な立ち直り支援のためにも、都市部で非行を行った少年を都市部に戻したら、また非行が行われる。
受け皿をどこにするかも含めて全体として検討しないと、再犯防止対策もうまくいかないのではないか」旨の発言があり、生活安全局長から、「不良交友関係、非行少年グループは、地方でも、繁華街や中学校区内の人が集まるところであれば非行があるのではないか」旨、また、長官から、「現場には場所についてのデータもあると思うので、分析させたい」旨の説明があった。