児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

茨城県青少年の健全育成等に関する条例と性犯罪

 法文を読んでもわからなくて解説で決まるというのもおかしいんですが、これは刑法とは競合しない趣旨ですね。
 「わいせつ」には撮影行為も含みますので、sextingも青少年条例違反ということになります。

茨城県青少年の健全育成等に関する条例の解説h22
(みだらな性行為等の禁止)
第35条何人も,青少年に対し,みだらな性行為又はわいせつ行為をしてはならな
い。
2 何人も,青少年にわいせつ行為をさせてはならない。
3 何人も,青少年に第1項の行為を教え,又は見せてはならない。
【要旨】
本条は,精神的,肉体的に未成熟な青少年に対し,みだらな性行為等をし,又はそれらの行為を故意に教えたり見せたりして,直接的に青少年の健全な育成を阻害する背徳行為を禁止する規定である。
【解説】
現代は,歪曲された性情報の氾濫のなかで「性」を遊びとして扱う風潮があり,青少年の性の逸脱行為が社会的に問題となっている。このような風潮に便乗して自己の欲望を満たすため,あるいは青少年を転落させることを目的として,青少年の不健全な性的行動を助長し,あるいは直接的に青少年と性的交渉を持つような反社会的な行為をする者から青少年を守るために設けられたのが本条の規定である。
本条と関連する法規について,刑法では, 13歳以上の男女に対する暴力脅迫を伴わないわいせつ行為については何ら規制がないので,本条では,誘惑,脅迫あるいは自棄につけこむ等の手段を講じて青少年の福祉を著しく阻害する行為の相手方とすること等について,青少年の保護育成上の規制をしている。また,児童福祉法で禁止されている「児童に淫行をさせる行為」との関連により,本条第2項では,青少年をして他人とわいせつ行為をさせることのみを規制している。
また, 「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」との関連で、あるが,買春行為(対償の供与又はその約束があるもの)については当該法律において罰則が規定されていることから,本条例の罰則は適用されない。
なお,本条の規定は,青少年の福祉を阻害することを知りながら,青少年を性行為等の相手とする者を規制するもので、あって,無制限に青少年の性行為等を禁止するものではない。したがって,精神的,肉体的に未成熟な青少年の性行為等は,社会通念上好ましいものではないが,この条例の規定が,人格結びつきの上に立つ行為等までを規制の対象としていないことは当然である。
「みだらな性行為」一昭和60年10月23日最高裁判決にいう「淫行Jすなわち,青少年を誘惑し,威迫し,欺岡し又は困惑させる等の心身の未熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいう。なお,性交類似行為とは,手淫,触淫(素股),肛淫(バック),口淫(尺八)等をいう。
「わいせつ行為」一いたずらに'性欲を刺激興奮せしめたり,その露骨な表現によって健全な常識のある一般社会人に対し,性的に差恥嫌悪の情を起こさせる行為をいう(昭和39年4月22日東京高裁判決)。例えば,乳房や陰部の弄ぴ,撮影,身体に対するキスなどが該当する。
「何人」一県民はもとより,旅行者,滞在者も含め,成人であると,未成年者であるとを問わず,現に本県内にいるすべての人(法人を含む。)を指すものである