数回の製造罪は、単純一罪か、包括一罪か、継続犯か?

 こういう事実関係だと、単純一罪とか包括一罪とかで処理しますよね。

生の事実
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 ところで、上記の事実関係でも、証拠によっては、こういう起訴になることもある。

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 単純一罪説だと、3/1に既遂になるはずだから、これは未遂になりますよね。
 でも、そう主張すると、裁判所は、形式3罪の包括一罪として逃げます。

 じゃあ、包括一罪説でいくんですねということで、

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3/1 さらにHDDに複製 @外国

という公訴事実で、3/1の製造罪について国外犯処罰規定を書き忘れた事例があると、1/1〜3/1の単純一罪であって、実行行為の一部が国内で行われているから、国外犯ではないというんですよ。

 こんなんで高裁にのらりくらり逃げられているんですが、生の事実のうち、適当に切って既遂になるというのは、継続犯みたいですよね。そこで、「継続犯だって言ってみろよ」という控訴理由を書きました。

こういう細かい議論に、裁判所が付き合ってくれるかは疑問です。