児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

違法有害情報とフィルタリング

 一般の方向けに1500字の原稿を頼まれたので書き始めたのですが、これくらいでオーバーしてしまいます。
 言いたいことに到達しません。

違法有害情報とフィルタリング
1 はじめに
 弁護士としてインターネット関係の事件を主に扱っています。
 最近、「有害情報」「フィルタリング」という言葉を耳にするようになりました。
 違法情報と言えば、従来は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(通称「プロバイダ責任制限法」)による発信者情報開示請求や民事責任についての議論が先行していましたが、最近では、違法情報を媒介した者に刑事責任が問われたり、違法ではないが有害な情報をどう甲とロールするかについての法整備が進んでいますので、最新の状況を報告させて頂きます。

2 違法情報
 違法情報というのは、
 ①情報自体が違法である場合(わいせつ 児童ポルノ
 ②情報の流布自体が違法である場合(名誉毀損・信用毀損)
で、それぞれ法律の根拠があります。
 例えば

著作権侵害罪(著作権法
わいせつ図画陳列罪(刑法)
児童ポルノ公然陳列罪
名誉毀損罪(刑法230条)
信用毀損罪(刑法233条)

です。
 ホームページや電子掲示板などでこのような違法な情報を発信した者が、上記のような罪に問われるのは当然として、掲示板の管理者のような媒介した者についても・・・・

3 有害情報
 これに対して、「有害情報」というのは、上記の違法情報以外の「(合法な)有害情報」という意味です。定義づけは困難ですが、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律2条3項4項では、「青少年有害情報」とは、「インターネットを利用して公衆の閲覧(視聴を含む。以下同じ。)に供されている情報であって青少年の健全な成長を著しく阻害するもの」と定義されています。

青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律
第二条  
3  この法律において「青少年有害情報」とは、インターネットを利用して公衆の閲覧(視聴を含む。以下同じ。)に供されている情報であって青少年の健全な成長を著しく阻害するものをいう。
4  前項の青少年有害情報を「例示」すると、次のとおりである。
一  犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報
二  人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報
三  殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報