児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1/9の浴場侵入で現行犯逮捕して、1/21になって、同じ機会のひそかに製造罪で逮捕された事例

 窃視罪(軽犯罪法)や迷惑条例違反(盗撮)の関係では、盗撮目的の侵入罪と盗撮の罪とは牽連犯とされています。
 児童ポルノ法のひそかに製造罪についても、裁判例では牽連犯(刑法54条1項後段)になっています。
 再逮捕は原則禁止です。
 身柄拘束の必要がある場合は、侵入罪の勾留を延長ということになる。あと10日です。

沖縄タイムス+プラス ニュース
銭湯で逮捕された教師 腕時計のカメラ使い現行犯で
2021年1月22日 09:50
 沖縄署は21日、銭湯の更衣室で着替えていた男子中学生を盗撮し、画像をビデオカメラに保存したとして、小学校教諭の男(29)=名護市=を児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。容疑者は9日に正当な理由なく浴場内に侵入したとして、建造物侵入容疑で現行犯逮捕されていた。
 逮捕容疑は9日午後6時半~7時半ごろ、沖縄本島の銭湯の更衣室で、腕時計に内蔵された小型カメラを使って盗撮した疑い。
 県教育庁は「教職員が逮捕されたのは遺憾で、事実関係の把握に努める。確認され次第、厳正に対処して参ります」とコメントした。

裁判年月日 平成28年10月 4日 裁判所名 名古屋地裁 裁判区分 判決
事件名 建造物侵入,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
 上記の者に対する建造物侵入,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件について,当裁判所は,検察官木村友香,弁護人太田重俊(私選)各出席の上審理し,次のとおり判決する。
主文
理由

 (罪となるべき事実)
 被告人は
 第1 女児の裸体を盗撮するためのデジタルビデオカメラを設置する目的で,平成28年6月16日午後7時頃,名古屋市〈以下省略〉名古屋市立a小学校校長Aが看守する同小学校4階児童会室内に,その出入口ドアから鍵を使用して侵入し,同月17日午後1時25分頃から同日午後3時20分頃までの間,前記児童会室内において,水泳の授業のため着替え中の同小学校の女子児童である複数名の女児がいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,各女児の乳首又は胸部等の姿態を動画撮影機能を作動させたデジタルビデオカメラで撮影し,同月18日,愛知県清須市〈以下省略〉被告人方において,その電磁的記録である動画データ3点を,同ビデオカメラに装着されたマイクロSDカードを経由して,パーソナルコンピュータのハードディスクに記録して保存し,もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより,児童ポルノを製造した。
 第2 女児の裸体を盗撮するためのデジタルビデオカメラを設置する目的で,同月23日午後7時55分頃,前記Aが看守する前記児童会室内に,その出入口ドアから鍵を使用して侵入し,同月24日午前10時50分頃から同日午後零時30分頃までの間,前記児童会室内において,水泳の授業のため着替え中の同小学校の女子児童である複数名の女児がいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,各女児の乳首又は胸部等の姿態を動画撮影機能を作動させたデジタルビデオカメラで撮影し,その電磁的記録である動画データ5点を同ビデオカメラに装着されたマイクロSDカードに記録させ,もってひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより,児童ポルノを製造した。
 (証拠の標目)
 (法令の適用)
 被告人の判示第1及び第2の各所為のうち,各建造物侵入の点はいずれも刑法130条前段に,各児童ポルノ製造の点はいずれも児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項,2項,2条3項3号にそれぞれ該当するところ,判示第1及び第2のそれぞれの建造物侵入と児童ポルノ製造との間にはいずれも手段結果の関係があるので,刑法54条1項後段,10条により1罪としてそれぞれ犯情の重い児童ポルノ製造の罪の刑で処断することとし,各所定刑中判示第1及び第2の各罪についてそれぞれ懲役刑を選択し,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により犯情の重い判示第1の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役2年に処し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予することとする。
 (量刑の理由)
 (裁判官 小川貴紀)

建造物侵入,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件
奈良地方裁判所判決令和元年12月23日
       理   由
(罪となるべき事実)
 当裁判所の認定した罪となるべき事実第1は令和元年8月6日付け起訴状記載の公訴事実第1の10行目「若しくはその周辺」を削除するほか同公訴事実第1と,罪となるべき事実第2は同公訴事実第2と,罪となるべき事実第3は同年9月26日付け起訴状記載の公訴事実第1の6ないし7行目「奈良県内において,」及び9行目「若しくはその周辺」をいずれも削除するほか同公訴事実第1と,罪となるべき事実第4は同公訴事実第2の5行目「奈良県内において,前記携帯電話機の動画編集機能を用いて」及び7行目「若しくはその周辺」をいずれも削除するほか同公訴事実第2と,それぞれ同一であるから,これらを引用する。
(法令の適用)
 罰条
  第1,第3及び第4
   建造物侵入の点   刑法130条前段
   児童ポルノ製造の点 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項,2項,2条3項3号
  第2         公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和39年奈良県条例第5号)13条1項,12条2項2号
 科刑上一罪の処理
  第1,第3及び第4  いずれも刑法54条1項後段,10条(建造物侵入と児童ポルノ製造との間には手段結果の関係があるので,いずれも犯情の重い児童ポルノ製造の罪の刑で処断)
 刑種の選択
  第1ないし第4    いずれも懲役刑
 併合罪の処理      刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い第1の罪の刑に法定の加重)
 刑の執行猶予      刑法25条1項
(量刑の理由)
  令和元年12月23日
    奈良地方裁判所刑事部
           裁判官  中山 登

       起訴状
                           令和元年8月6日
       公訴事実
 被告人は
第1 女児の姿態を盗撮する目的で,平成30年9月7日頃,当時の学校法人AB小学校校長Cが看守していた奈良市ab丁目c番d号同小学校プール棟地下1階女子更衣室内に,その出入口から侵入し,その頃,同所において,同所に設置した空き箱内に隠したカメラ機能付き携帯電話機で,D(当時12歳)及びE(当時11歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,同児童らの更衣中で陰部等を露出した姿態を動画撮影し,その頃,奈良県内において,前記携帯電話機の動画編集機能を用いて前記動画を編集してその動画を前記携帯電話機内蔵の電磁的記録媒体に記録して保存し,さらに,同月13日,同市ef丁目g番地のhij号当時の被告人方若しくはその周辺において,前記記録された動画を被告人が所有するパーソナルコンピュータに記録して保存し,もってひそかに衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより児童ポルノを製造し
第2 令和元年7月16日,同市kl丁目m番地のnA第2グランド管理棟において,同所に所在する女子更衣室で更衣中のF(当時16歳)の下着姿の姿態をカメラ機能付き携帯電話機で動画撮影し,その動画を同携帯電話機内蔵の電磁的記録媒体に記録して保存し,もって写真機等を使用して,人の着衣等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所に当該状態でいる他人の姿態の映像を記録して,みだりに卑わいな行為をし
たものである。
       罪名及び罰条
第1 建造物侵入 刑法130条前段
   児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反 同法7条5項,2条3項3号
第2 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和39年奈良県条例第5号)違反 同条例13条1項,12条2項2号

       起訴状
                          令和元年9月26日
       公訴事実
 被告人は,女児の姿態を盗撮する目的で
第1 平成30年5月29日頃から同年6月7日頃までの間に,当時の学校法人AB小学校校長Cが看守していた奈良市ab丁目c番d号同小学校プール棟地下1階女子更衣室内に,その出入口から侵入し,その頃,同所において,同所に設置した空き箱内に隠したカメラ機能付き携帯電話機で,G(当時11歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,同児童の更衣中で陰部等を露出した姿態を動画撮影し,その頃,奈良県内において,前記携帯電話機の動画編集機能を用いて前記動画を編集し,さらに,同年6月28日,同市ef丁目g番地のhij号当時の被告人方若しくはその周辺において,前記編集した動画を被告人が所有するパーソナルコンピュータに記録して保存し
第2 同年5月29日頃から同年9月7日頃までの間に,前記女子更衣室に,その出入口から侵入し,その頃,同所において,同所に設置した空き箱内に隠したカメラ機能付き携帯電話機で,氏名不詳者が18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,同児童の更衣中で陰部等を露出した姿態を動両撮影し,同年9月8日頃,奈良県内において,前記携帯電話機の動画編集機能を用いて前記動画を編集してその動画を前記携帯電話機内蔵の電磁的記録媒体に記録して保存し,さらに,同年9月13日,前記当時の被告人方若しくはその周辺において,前記記録された動画を被告人が所有するパーソナルコンピュータに記録して保存し
もってひそかに衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写することにより児童ポルノを製造したものである。
       罪名及び罰条
 建造物侵入 刑法130条前段
 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反 同法7条5項,2条3項3号

盗撮目的侵入とひそかに製造罪を牽連犯とする裁判例
前橋地裁H27.11.4
名古屋地裁半田H28.2.15
釧路地裁H27.10.8
名古屋地裁H28.10.4
長野地裁上田H28.8.30
千葉地裁H27.7.16
さいたま地裁川越H28.5.9
さいたま地裁川越H28.9.7
横浜地裁小田原H28.7.28
横浜地裁川崎H28.7.7
京都地裁H28.9.8
京都地裁H28.9.23
今治簡裁H29.8.23
仙台地裁H30.11.21