児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童は実在すること・・法務省刑事局参事官玉本将之「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成26年法律第79号による改正前のもの)における「児童ポルノ」(同法2条3項)の意義、児童ポルノ製造罪(同法7条5項)が成立するためには当該児童ポルノに描写されている人物が製造時に18歳未満であることを要するか(消極)(最高裁令和2年1月27日決定、裁判所ウェブサイト掲載)」警察学論集第73巻第7号

児童ポルノ」の意義
児童ポルノ法における「児童ポルノ」は、同法2条3項において、「写真、電磁的記録……に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」と定義されている。
そして、ここでいう「児童の姿態」については、法文上直接明示されてはいないものの、平成11年の児童ポルノ法制定時から、実在する児童の姿態を意味し、したがって実在しない児童の姿態を描写したものは「児童ポルノ」に該当しないと解されてきた5)。
その実質的理由として、児童ポルノ法は、「児童ポルノ」について、
それが児童を性の対象とする風潮を助長するのみならず、描写の対象となった児童の人権を害するものであるという観点から、必要な規制を行うものであるところ、実在しない児童を描写したポルノについては、描写の対象となった児童の人権を害するということはできないという説明がなされているが6)、児童ポルノ法2条1項は、「この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。」と規定して、「児童」の範囲を年齢によって画しており、年齢は、出生の日から起算し、所定の方法によって計算するものである(年齢計算二関スル法律1項、2項)ことからすると、「児童」が現に実在する人物に限られ、「児童ポルノ」も実在する児童の姿態を描写したものに限られると解すべきことは、文理上明らかであるといえる。
本決定は、児童ポルノ法2条,項の規定に言及した上で、同条3項
の「児童ポルノ」の意義について、従来の解釈と同様に、実在する児童の姿態を描写したものに限られると解すべきことを明示したものである。