児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

理由不備の判決

 証拠上は1号ポルノ16画像、3号ポルノ5画像を製造したことになっているのに、地裁判決では「性交する姿態等をとらせ」「1号・3号に該当する」「撮影データ21点」を製造したという認定になっています。
 性交する姿態は1号ポルノに該当しますが、「等」では3号ポルノに該当する記載がないことになります。
 これは理由不備であって、原判決は破棄されます。
 1号ポルノは16なのに、21点というのも事実誤認と言えるかも知れない。
 実務的な話なので、研修所の刑事判決起案の手引とか、検察講義案とかを引用して、主張しています。

刑訴法
第三七八条[同前━絶対的]
 左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
一 不法に管轄又は管轄違を認めたこと。
二 不法に、公訴を受理し、又はこれを棄却したこと。
三 審判の請求を受けた事件について判決をせず、又は審判の請求を受けない事件について判決をしたこと。
四 判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。

第三九七条[原判決破棄の判決━一項破棄と二項破棄]
 第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。

原判決
(罪となるべき事実)
被告人は,
A子(16)が18歳に満たない児童であることを知りながら,
令和2年2月21日午後6時45分頃から同日午後7時31分頃までの間,
西天満ホテル201号室において,
同児童に,被告人と性交する姿態等をとらせ,
これを被告人のスマートフォンの撮影機能を用いて撮影し,
その撮影データ21点を,同スマートフォン本体に内蔵された記録装置に記録させて保存し,
もって児童を相手方とする性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び
衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの
を視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した
ものである。

(法令の適用)
罰条
 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)7条4項,2項,2条3項1号,3号