出所後無事に5年経つと、「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者(25条1項)」になりますから、25条1項の執行猶予が適用されます。
再度の執行猶予(25条2項)は執行猶予中の再犯の問題なので、この質問の事例には当てはまらないし、しかも、25条2項は「1年以下の懲役・禁錮」となっているのを「1年以上の懲役・金庫」だとしています。これだと法定刑が懲役6月の公然わいせつ罪の場合は、再度の執行猶予にできなくなります。
こういうのが放置されて訂正されず、そのQAを一般の方がまた読んでしまうというのがドットコムの問題点だと思います。
刑法第25条(執行猶予)
1 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
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Q 2013年10月24日 01時21分 公然わいせつ罪で実刑となり出所して6年で、再度同罪で公判請求されている事例
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H弁護士2013年10月24日 01時53分
初度目ではなく再度目の場合には執行猶予の要件は厳しくなります。
1年以上の懲役・金庫が言い渡された場合にだけ認められ、かつ、情状に特に酌量すべきものがある場合だけです(刑法25条2項)。
なお、罰金については再度の執行猶予は認められません。
従って、可能性がないとはいいませんが、実刑となる可能性の方が高いことは確かです。