前刑の執行猶予期間中の犯行ですが、前刑の執行猶予期間が経過しているので、通常の執行猶予(25条1項)の話であって、再度の執行猶予(同条2項)の話ではありません。再度の執行猶予では1年を越える刑期にすることができません。
第25条(刑の全部の執行猶予)
次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141017-00000000-kyt-l26
執行猶予期間中に再び万引したとして窃盗罪に問われた京都市の女性被告(36)の判決が16日、京都地裁であり、御山真理子裁判官は懲役1年2月、執行猶予5年(求刑懲役1年2月)を言い渡した。執行猶予中に起こした事件は実刑となるのが一般的で、執行猶予となるのは異例。判決は情状理由に、摂食障害の当事者によるグループセラピーに通うなど更生への環境に期待できることを挙げた。
弁護人は「刑務所より社会内で治療を進めることで病状の回復と更生を両立できる」と評価した。
弁護人によると、被告は摂食障害の診断後の2010年と11年、食品を万引した窃盗罪で罰金刑と懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた。今回は猶予期間中の昨年6月にふりかけなど6点を万引したとして起訴された。公判で弁護側は、犯行時に幻聴があったなどとして心神喪失による無罪を主張するとともに、精神疾患の治療計画書を提出したという。
御山裁判官は、精神鑑定の結果を踏まえて完全責任能力を認めた一方、事件の背景に摂食障害と解離性障害があると指摘。投薬やカウンセリングを受け、今後は摂食障害の当事者によるグループセラピーに加わる計画が立てられているとして、「更生環境が整っており、社会内での手厚い支援を期待する」と述べ、被告に「日々努力してください」と説諭した。