児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強姦罪(後段)の認定落ち(広島高裁岡山支部h23.1.26)

 被害児童が12歳の場合にも青少年条例が適用されるという意味でも判例です。

強姦罪認めず減刑 広島高裁岡山支部 /岡山県
2011.01.27 朝日新聞
 被告は昨年4月、岡山地裁で懲役6年の判決を受けた。強姦、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの罪で有罪とされた。その中で、2007年4月、被告が広島県福山市内にあった自宅で、当時12歳の少女を強姦し、携帯電話で撮影して児童ポルノを製造した、などと認定された。
 13歳未満の少女との性交渉は、暴行や脅迫がなく、合意があっても強姦罪が成立する。このため、被告が犯行時、少女の年齢を認識していたかが争点となっていた。
 一審は「小学校の卒業式の際、少女に、おめでとう、とメールを送っている」ことなどを根拠に、認識はあったと認定。しかし、26日の判決で山崎和信裁判長は「認識していたと断定できない」として、広島県青少年健全育成条例違反(淫行)の罪にとどまる、と判断した。

強姦などの罪で懲役6年の判決 岡山地裁 /岡山県
2010.04.14 朝日新聞
 携帯電話のコミュニティーサイトで知り合った少女らに強姦(ごうかん)などを繰り返したとして、強姦や児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われた裁判長は懲役6年(求刑懲役8年)を言い渡した。
 判決によると、被告は2007年4月、広島県福山市内の当時の自宅で12歳の少女を強姦し、様子をカメラ付き携帯電話で撮影して児童ポルノを製造した。
 ほかに07年12月から09年1月にかけ、高梁市内の駐車場の乗用車内で少女(16=当時)にわいせつ行為をくり返した▽少女(13=同)に、カメラ付き携帯電話で撮影させた自分の性器などの写真を4回送信させた、など8件で有罪とされた。
 被告は、12歳という少女の年齢を知らなかったと主張したが、高山裁判長は「(少女が)小学校の卒業式後に被告にメールを送り、被告が『おめでとう』と返信した」と指摘し、知っていたと認定。
 そのうえで「判断能力の未熟さに乗じ、自己の性欲の赴くまま強姦や淫行(いんこう)を繰り返した。被害弁償もせず、自己保身の弁解をし、被害者2人が法廷で証言させられた。被害者の将来に重大な悪影響を及ぼす悪質さだ」と指弾した。(西山良太)