児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

少年法37条廃止の議論は第二巡?

 ただいまどういう議論なんでしょうか?

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/071213-1.html
法制審議会少年法(犯罪被害者関係)部会 第1回会議(平成19年12月13日開催)
○ 議事概要
 去る11月29日に開催された第154回法制審議会において,諮問第83号(下記参照)の調査審議のため,新たに設置された少年法(犯罪被害者関係)部会に付託された同諮問について,事務当局から諮問に至った経緯及び諮問の趣旨等について説明が行われ,要綱(骨子)の各事項について議論がなされた。
 次回は12月21日に開催。
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/071213-1-1.txt
● そのほかにございませんか。
  それでは,本日のところはこの三につきましてはこの程度にしまして,最後の要綱(骨子)第四に入りたいと思います。成人の刑事事件の管轄の移管等についての議論に入ります。
● ちょっと私,ここの点については非常に不勉強なので,より,とんちんかんな意見を言ってしまうのかもしれませんが,この第四の一の部分について,管轄を移すということに関して実務上いろいろな問題点が出ているというのは,私としても実感としてそういうことかなというふうに思っていまして,そういう意味ではここに規定されているものが地方裁判所又は簡易裁判所の管轄に移っていくということは,やはり実務上,きっとそういうことが必要なんだろうなと思っているんですけれども,元々こういう福祉違反などの事件を家裁に集中させたそれなりの理念と,それに基づく,ここでやっていこうというような,当初はきっとそういうものがあって,それがうまく機能しなかったのか,若しくは,元々のお考えが余りよくなかったのか,実務上いろいろな支障が出てきたということなんだろうと思うんですけど,その辺の元々どういう発想で出てきて,そこが実はというのは,もとの発想自体はやはり家庭裁判所か何か少年のいろいろな福祉を守っていくというか,そういう発想も多分混ざっていたんだと思うんですけれども,そこがどううまくいかなくてどうなってきたのかという辺りを,その辺りをうまく説明していただければと思って質問しました。
● 御説明いたします。少年法37条の規定でございますが,これは昭和23年に現行少年法が制定された際に設けられたものということでございます。立法時の説明によりますと,この規定が置かれたのは,少年の不良化の背後には成人の無理解ですとか,あるいは不当な処遇がひそんでいることが極めて多いと。そのような成人の行為が犯罪を構成する場合にはその刑事事件は少年事件のいわばエキスパートであり,少年に理解のある家庭裁判所が取り扱うのが適当であり,こうした成人の事件は少年事件の取調べによって発覚することが多く,証拠関係も大体において共通することから,家庭裁判所が取り扱うのが便宜であると考えられたためということで説明されているところと承知しております。
● 私が存じております限りでは,この少年法の制定は今おっしゃった昭和23年ですが,立案にはGHQ側の意向がかなり強く働いておりました。特にこの37条の規定につきましては,この種の規定を是非入れるようにという強いサゼスションがあったために,日本側がそれを受け入れたものと理解しております。
● そのほか要綱(骨子)第四について御意見ございますでしょうか。
● この立法当時のいろんな社会情勢でございますとか,当時の少年の保護に向けた法制,当時の法制とその後のやはり我が国のいろんな観点からの法制の発展と申しますか,その中で地方裁判所簡易裁判所が相当数の似たような観点からの罰則を扱われたり,そこで関係者も含めてどういうことが背景にあるのかとか,様々な専門的なエクスパティースというか,そういうものを当然今は裁判官の皆さんお持ちだと私は信じて疑いませんし,そのように感じております。その中で,むしろ少年法第37条が残っておりますがために,例えばの話,観念的競合だということでいろんな種類のものがございますけれども,最後のところで情状によって評価が分かれるがために,非常に難渋しましたり,あるいは被告人も含めて,もっと簡単に手続を進めたいという方の要望にも沿えなくなってきていると,いろんな観点がございますので,これは少年法第37条についての要綱は実務的に非常に意味のあることだと思っております。
● 要するに,今,○○委員からも御指摘があったんですけれども,家庭裁判所の福祉的な側面を持っていると思うんですが,そういう何か理念的そういうものが変わってきたのと連動していると言われると少し私としても寂しいという思いもあるんですね。ただ,並行して現に生じている実務上の支障が,例えば恐らくおっしゃっているのも同じことだと思うんですけれども,たまたま児童福祉法違反になるか強姦事件になるかで,全く違うところで裁判がなされていて,その支障が余りにも著しいものがあるというのは私も同じような感覚ですので,そういう意味では私としては元々の発想としては一つの発想として良かったのかもしれないけれども,余りにも実務上うまくいかない。かえって実務上の不都合が多過ぎるということで改正の話も出てきて,それはやむを得ないのかなというふうに私自身としては受け止めております。
● そのほかございますか。
  もしございませんようでしたら,本日の審議はこの程度としたいと思います。

↑ 
 強姦罪か児童淫行罪かで行ったり来たりした事件もまれにありますが、大半が風俗営業関係の事件になっていて、家裁が「デリヘル専門部」と奥村弁護士から揶揄されていることを知らない人がやってるみたいですね。

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/071221-1.html

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/080110-1.html
法制審議会少年法(犯罪被害者関係)部会第3回会議(平成20年1月10日開催)
第四の「成人の刑事事件の管轄の移管等」についての第二巡目の議論が行われた。

 議事録みると、委員は成人の刑事事件をやったことないので、何も言えなかったようですね。

http://www.moj.go.jp/SHINGI2/080110-1-1.txt
法制審議会少年法(犯罪被害者関係)部会第3回会議(平成20年1月10日開催)第1 日 時  平成20年1月10日(木) 自 午後1時32分
                      至 午後5時42分
第2 場 所  法務省第1会議室
第3 議 題  少年審判における犯罪被害者等の権利利益の一層の保護等を図るための法整備について
第4 議 事 (次のとおり)
 そのほか,要綱(骨子)第三について御意見はございますでしょうか。
  もしございませんでしたら,最後の要綱(骨子)第四の審議に移りたいと思います。
  要綱(骨子)第四について,御意見等をちょうだいしたいと思います。
  特にございませんか。
  それでは,これで第2読会を終えたいと思います。