児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

17歳少女に売春強要容疑の男2人を逮捕 福岡県警

 児童福祉法違反の裁判例も800件くらい集まりました。
 毎度家裁がヘルス専門部になっているという話です。
 客は児童買春罪の疑い。派遣されてきた人と、性交(「本番行為」)すると、児童と知らなくても、売春ですから、少なくとも売春防止法違反の違法性の意識はあったということになりそうです。

 児童福祉法違反(淫行させる行為・児童淫行罪)の実刑率は25%位ですが、ヘルス系(デリヘル・ホテルヘルス・店舗ヘルス)の場合の実刑率は17%位に落ちます(これも怖い確率です)。
 被害児童が任意に応募していること(年齢詐称していること)・多くの場合性交ではなく性交類似行為であること・業者は必ずしも児童であることを知らなくても処罰されること(過失の場合は量刑軽い)が考慮されているようです。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060703-00000031-nnp-kyu
同署によると、2人は同市東区のアパートに少女を住まわせ、客1人に対し2万円で売春するよう強要し、客の有無にかかわらず1日1万円を2人に渡すノルマを課していたという。アパートには、ほかに3人(16―17歳)の少女が住んでいたことから、県警は2人が他の少女にも売春をさせていた疑いがあるとみている。

 とすると、強制・強要・脅迫・恐喝の場合は重くなります。
 そういう点は売春防止法の法定刑の序列に現れています。

売春防止法
第6条(周旋等)
売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
2 売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、前項と同様とする。
一 人を売春の相手方となるように勧誘すること。
二 売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。
三 広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。
第7条(困惑等による売春)
人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。
第8条(対償の収受等)
前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、五年以下の懲役及び二十万円以下の罰金に処する。
2 売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第9条(前貸等)
売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第10条(売春をさせる契約)
人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 前項の未遂罪は、罰する。
第11条(場所の提供)
情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2 売春を行う場所を提供することを業とした者は、七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。
第12条(売春をさせる業)
人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、十年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。