児童買春罪と不同意わいせつ罪(176条3項)の関係(某高裁r08)

児童買春罪と不同意わいせつ罪(176条3項)の関係(某高裁r08)
 性器接触行為による児童買春罪の実行行為=対償供与約束+基づく性器接触行為なんだから、対償供与約束の点は重なりませんが、対償供与約束の点は重ならないとしつつ「主要な点で重なり合っている」として、観念的競合とされています。
 

4 所論はまた、被告人は、Aに対して性交の対償供与を約束したのであって、性器接触行為の対償供与は約束していないから、原判決には、被告人が性器接触行為の対償供与の約束をしたと認めた点で事実誤認がある上、性器接触行為による児童買春罪の成立を認めた点で法令適用の誤りがあると主張する。
しかしながら、本件の経緯等に照らせば、被告人とAが性交のみの対価として現金の授受を約束したなどとは到底考えられず、上記対償供与の約束には性器接触行為を行うことも当然に含まれていたと認められるから、原判決に所論のいう事実誤認及び法令適用の誤りがないことは明らかである。
5 所論はさらに、仮に被告人に児童買春罪が成立するとしても、被告人の児童買春行為と不同意わいせつ行為は、対償供与の約束の点で重なり合いがなく、性的な行為も全部重なっているわけではないから、原判決には、両罪が観念的競合の関係にあると認めた点で法令適用の誤りがあると主張する。
しかしながら、被告人の児童買春行為と不同意わいせつ行為は、Aに原判示第記載の性的な行為を行ったという主要な点で重なり合っている上、刑法176条3項所定のいわゆる5歳差要件を満たす者が、16歳未満の児童に対して自己の性的好奇心を満たす目的で性器接触行為をする児童買春罪を犯した場合、通常は不同意わいせつ罪にも該当するという関係もあるから、これらの行為者の動態は社会的見解上一個のものであり、両罪は観念的競合の関係にあるというべきである。
6 所論はいずれも採用できず、この論旨も理由がない。