児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

青少年に対する淫行勧誘行為を、非行助長行為の禁止(青少年条例)として処罰した事例(某地裁)

 刑法の淫行勧誘ではカバーできないということかな。
 対価を示す児童買春罪の予備未遂とかも行けそうですね。

刑法第一八二条(淫行勧誘)
 営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦かん淫させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

罪となるべき事実
令和4年7月11日
■■■■■■において、
A(15)が
18歳に満たない青少年であることを知りながら
Aに対して 3回
LINEで
 セックスさせて
 セックスしたい
 でないと動画回す
などとのメッセージを送信して Aに閲読させて 
もって、青少年に対して みだらな性行為を行うように勧誘した
法令適用
県青少年条例違反 22条3項1号 18条の2第1項 18条1号

県青少年保護育成条例の解説
(有害行為のための場所提供又は周旋の禁止)
第18条何人も、次に掲げる行為が青少年に対してなされ、又は青少年がこれらの行為を行うことを知って場所を提供し、又はその周旋をしてはならない。
⑴ みだらな性行為又はわいせつな行為
⑵ 薬品類等を不健全に使用する行為
大麻、麻薬又は覚せい剤の使用
⑷ とばく、飲酒又は喫煙
⑸ 入れ墨を施す行為
⑹ 暴行、脅迫又は恐喝


(非行助長行為の禁止)
第18条の2 何人も、青少年に対し、前条各号に規定する行為、道路交通法昭和35年法律第1 0 5号) 第6 8条( 共同危険行為等の禁止) に規定する行為若しくは家出を行うよう勧誘し、あおり、そそのかし、若しくは強制し、又はこれらの行為を行わせる目的をもって金品その他の財産上の利益若しくは便宜を供与してはならない。

〔要旨〕
本条は、青少年に非行若しくは共同危険行為、家出を行うことを勧誘したり、非行集団に加入すること等を勧誘、強制する等の非行助長行為を禁止することにより、青少年の保護又は非行集団化することを防止しようとする規定である。
〔解説〕
本条は、心身とも未熟で成長途上にある青少年に対する非行助長行為を禁止し、刑法その他の関係法令では規制し得ない反社会的行為から青少年を保護しようとするものである。
第1項
1 「何人」の意義については、第9条解説参照
2 「勧誘」とは、青少年に対し自己の欲するとおりのある種の行為を行うように勧めることをいう。
3 「あおり」とは、特定の行為を実行させる目的をもって、文書、図画、又は言動によって青少年に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ、又は既に生じている決意を助長させるように勢いのある刺激を与えることをいう。
4 「そそのかし」とは、青少年をして特定の行為を実行させる目的をもって、おだてたり甘言を用いて同人等にその実行の決意を生ぜしめるに足りる行為を行うことをいい、その実行行為にでる危険性がある限り、現に実行の決意を生じたかどうかを問わない。