児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

単純所持罪について2条3項1~3号の法文を並べただけの児童ポルノ認定方法(大阪地裁R03.2.17)

 判示第1の2の製造罪では「同児童に,その陰茎等を露出させる姿態,被告人及びCが同児童の陰茎を手指で直接触る姿態及びCが同児童の陰茎を口淫する姿態をとらせ,」とい具体的事実を記載しているのに、判示第3の所持罪では具体的記載がありません。理由不備です。
 控訴すれば控訴審未決が全部算入されるので、弁護人は、判決書をチェックして下さい。1審で指摘すると訴因変更で修正されてしまうので、黙っておくという選択もあります。
 

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
2条
3この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

判例番号】 L07650279
       未成年者誘拐,強制性交等,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
【事件番号】 大阪地方裁判所判決/令和2年(わ)第1136号、令和2年(わ)第1504号、令和2年(わ)第2305号
【判決日付】 令和3年2月17日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載
(罪となるべき事実)
第1 別紙記載のB(当時12歳)が13歳未満の児童であることを知りながら,分離前の相被告人Cと共謀の上,
 1 令和元年9月16日午後1時1分頃から同日午後1時6分頃までの間,大阪府東大阪市(以下略)において,同児童に対し,被告人及びCが同児童の陰茎を手指で弄ぶなどした上,Cが同児童の陰茎を自己の口腔内に入れて口淫し,もって13歳未満の者に対し,口腔性交をし,
 2 前記日時場所において,同児童に,その陰茎等を露出させる姿態,被告人及びCが同児童の陰茎を手指で直接触る姿態及びCが同児童の陰茎を口淫する姿態をとらせ,それらの姿態を被告人がビデオカメラで動画撮影し,その動画データ1点を同ビデオカメラに装着したSDカードに記録させて保存し,もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態,他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの,衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造し,
第2 別紙記載のA(当時11歳)が未成年者であることを知りながら,同人を誘拐しようと考え,Cと共謀の上,Cが,令和2年1月19日午後2時15分頃,大阪市鶴見区(以下略)D株式会社E3階F西側通路において,Aに対し,「メダル増やせるところあるから行く。」などと甘言を用いて誘惑し,同人の親権者に無断でAを同所から被告人が賃借している同市城東区(以下略)□□106号室に連れ去り,同日午後2時49分頃から同日午後3時48分頃までの間,Aを前記□□106号室に留め置いて被告人及びCの支配下に置き,もって未成年者を誘拐し,
第3 自己の性的好奇心を満たす目的で,令和2年2月9日,大阪府寝屋川市(以下略)Gにおいて,児童による性交類似行為に係る児童の姿態,他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録である動画データ1点を記録した児童ポルノであるハードディスク1台を所持した。

(法令の適用)
 被告人の判示第1の1(柱書を含む)の所為は刑法60条,177条後段に,判示第1の2(柱書を含む)の所為は刑法60条,児童ポルノ法7条4項,2項,2条3項1号,2号,3号に,判示第2の所為は刑法60条,224条に,判示第3の所為は包括して児童ポルノ法7条1項前段,2条3項1号,2号,3号にそれぞれ該当するところ,

令和和3年2月18日
    大阪地方裁判所第7刑事部
        裁判長裁判官  佐藤弘規
           裁判官  延廣丈嗣
           裁判官  中村暢明

 「同児童に自己の陰茎を口淫させる姿態及び同児童の乳房及び陰部を露出させる姿態をとらせた画像」とちゃんと具体的事実を摘示している裁判例もあります。

判例番号】 L07551235

       強制性交等,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件

【事件番号】 大阪地方裁判所判決/令和元年(わ)第3842号、令和2年(わ)第885号
【判決日付】 令和2年12月16日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載

第3 Cが18歳に満たない児童であることを知りながら,自己の性的好奇心を満たす目的で,同年9月17日,大阪市城東区(以下略)所在の被告人方において,同児童に自己の陰茎を口淫させる姿態及び同児童の乳房及び陰部を露出させる姿態をとらせた画像及び映像データ9点を記録した電磁的記録媒体を内蔵するパーソナルコンピュータ1台(大阪地方検察庁令和元年領第10850号符号5)を所持し,もって児童を相手方とする性交及び性交類似行為に係る児童の姿態並びに衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを所持した。
  大阪地方裁判所第12刑事部
        裁判長裁判官  増田啓祐
           裁判官  中山 知
           裁判官  尾嶋翔一