就寝中の強制性交(後段)・強制わいせつ罪(176条後段)に変更されて児童ポルノ製造が行われた事案で、当初ひそかに製造罪で起訴されたが、姿態をとらせて製造罪に訴因変更された事例(仙台地裁r5.7.20)
裁判所も気付かずひそかに製造罪で審理していたところ、大阪高裁r5.1.24が回覧されて、修正されたもよう。
提供 TKC
【文献番号】 25596042
【文献種別】 判決/仙台地方裁判所(第一審)
【裁判年月日】 令和 5年 7月20日
【事件名】 強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、準強制わいせつ被告事件
【裁判結果】 有罪
【裁判官】 中村光一 三貫納隼 高橋祐梨子
(罪となるべき事実)
被告人は、
第1(令和4年6月17日付け起訴状記載の各公訴事実。2は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人と性交等をしようと考え、令和2年10月11日午前0時27分頃から同日午前0時37分頃までの間、宮城県白石市α×丁目×番×号b×××号室において、同人に対し、その陰茎を自己の口腔内に入れ、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をした。
2 Aが18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表1記載のとおり、同日午前0時8分頃から同日午前0時58分頃までの間、10回にわたり、被告人がAの陰茎を触る姿態及び被告人がAの陰茎を口淫する姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計10点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態をとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第2(令和4年7月8日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 A(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和3年8月15日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、2回にわたり、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 同日午前4時1分頃から同日午前4時7分頃までの間、前記場所において、B(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能状態にあることに乗じ、同人の陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 A及びBがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表2記載のとおり、同日午前3時44分頃から同日午前4時17分頃までの間、9回にわたり、被告人がA及びBの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ合計9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3(令和4年7月29日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 C(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和2年5月30日午前3時49分頃から同日午前3時56分頃までの間、仙台市β区γ字δ×番地の×所在の木造平屋建て家屋において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
2 A(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、同日午前4時3分頃、前記場所において、同人に対し、その陰茎を直接手指で触り、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした。
3 C及びAがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表3記載のとおり、同日午前0時41分頃から同日午前4時3分頃までの間、6回にわたり、被告人がC及びAの陰茎を露出させる姿態及び被告人がC及びAの陰茎を触る姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ6点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第7(令和4年10月27日付け追起訴状記載の各公訴事実。3は訴因変更後のもの。)
1 令和2年5月6日午前4時41分頃から同日午前4時56分頃までの間及び同日午前5時26分頃から同日午前5時59分頃までの間、仙台市ε区μ××番×号g△△△h方において、P(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、着衣の上からその陰茎を手で触り、目を覚ました同人が驚愕、恐怖等により抗拒不能の状態にあるのを睡眠中であると誤信し、これに乗じて同人の下着の中に手を差入れてその陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
2 同日午前5時13分頃、前記場所において、Q(当時13歳)が睡眠中のため抗拒不能の状態にあることに乗じ、その陰茎を直接手指で触り、もって人の抗拒不能に乗じてわいせつな行為をした。
3 P及びQがいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら、前記場所において、別表6記載のとおり、同日午前4時41分頃から同日午前5時59分頃までの間、9回にわたり、被告人がP及びQの陰茎を触る姿態及び被告人がQの陰茎を露出させる姿態をとらせ、これを被告人の撮影機能付きスマートフォンで動画撮影し、その動画データ9点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。