弁護人は、児童ポルノ所持罪の検察官立証として採用された画像には、わいせつ画像がないと主張していましたが、実は、わいせつ罪では起訴していなかったとされました。
名古屋高等裁判所平成31年3月4日宣告
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに’児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)違反,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
判決
主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役年に処する。
この裁判確定の日から年間その刑の執行を猶予し・・・
理由
第1
控訴趣意は控訴趣意書控訴趣意補充書(弁護人作成)のとおり。
論旨は理由不備,訴訟手続の法令違反,法令適用の誤り,事実誤認,量刑不当(原判決懲役年年猶予~~)
第2
職権判断
1 原判示第2に係る(訴因変更後の)公訴事実は要旨不特定多数の者に有償で頒布提供する目的で,平成31年3月11日,被告人方において,記録媒体である外付けハードディスクに,児童ポルノである電磁的記録2点及び児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録4点を保管した(児童ポルノ禁止法違反,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管)。
原判示第2は要旨前記目的で,前記年月日,前記場所において,前記ハードディスクに「児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録2点及び児童ポルノであり,かつ,わいせつな画像データを記録した電磁的記録4点を保管した」旨
2 原判決は検察官がわいせつ電磁的記録有償頒布目的保管で処罰を求めず,児童ポルノ禁止法違反のみで処罰を求めた電磁的記録2点につき前者の罪も成立するとした。審判の請求を受けない事件について判決をした。破棄を免れない(刑訴法397条1項,378条3号後段,400条ただし書適用)。
第3 自判
(原判示罪となるべき事実第2に代えて当裁判所が新たに認定した事実)