児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪7〜10罪の科刑状況

 科刑状況を見ますと、師弟関係で、強制わいせつ罪(176条後段)で、7件で、致傷もつけば、7年って重くない感じですが。
 被害者代理人とか被害者支援団体も、量刑を知らないので好意的に受け止めているようですね。「7年じゃ軽すぎる無期懲役を!」と言って欲しいところです。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyotama/news/20121219-OYT8T01687.htm
 被害者側代理人の杉浦ひとみ弁護士は「男性同士の事件で、PTSDによる強制わいせつ致傷罪が認定されたこと、さらに、初犯の強制わいせつ事件で、懲役7年という実刑判決が出たことも異例だ」と述べた。
 性暴力の被害者を支援する「サバイバーズ・ジャスティス」代表の辻雄作さんは「子供に対する性犯罪の重さを正当に判断してもらえたという点で画期的だ。性犯罪被害者の権利回復が一歩前進した」と語った。
 「単なるいたずら」「男性はわいせつ行為で心の傷を負わない」といった偏見から、杉浦弁護士は「男性同士の強制わいせつが事件化されることはほとんどなく、今回の事件は氷山の一角だ」と指摘する。
 判決によると、水野被告は昨年7月31日〜12月9日、自宅で計8回にわたり、男児にキスをしたうえ、自分の下半身を露出させ、性的な行為に及ぶなどして男児にPTSDを負わせた。
 ◇今も入院、中学通えず

地裁 H15 懲役12年08罪
地裁 H18 懲役2年10罪
地裁 H17 懲役3年06月 09罪
地裁 H15 懲役4年06月 07罪 男児
地裁 H19 懲役2年06月 08罪
地裁 H19 懲役6年08罪
地裁 H19 懲役4年07罪
地裁 H21 懲役3年10罪
地裁 H20 懲役7年08罪
地裁 H20 懲役4年06月 08罪
地裁 H20 懲役1年08月 07罪
地裁 H21 懲役2年06月 09罪
地裁 H21 懲役3年06月 08罪
地裁 H21 懲役6年07罪
地裁 H21 懲役3年06月 10罪
地裁 H21 懲役8年07罪
地裁 H23 懲役6年09罪
地裁 H22 懲役6年09罪
地裁 H23 懲役6年09罪
地裁 H22 懲役5年06月 07罪
地裁 H22 懲役10年09罪
地裁 H23 懲役9年09罪
地裁 H21 懲役5年07罪 男児
地裁 H23 懲役3年06月 08罪
地裁 H21 懲役8年09罪
地裁 H22 懲役2年07罪
地裁 H19 懲役3年08月 08罪
地裁 H21 懲役8年07罪
地裁 H22 懲役13年07罪
地裁 H22 懲役4年07罪
地裁 H23 懲役3年07罪

準強制わいせつ,強制わいせつ致傷被告事件
横浜地方裁判所判決平成16年9月14日
判例タイムズ1189号347頁
       主   文
 被告人を懲役8年に処する。
 未決勾留日数中180日をその刑に算入する。

       理   由

 (認定犯罪事実)
 被告人は,「○○」の名称で医学系大学受験を専門とする学習塾を営む有限会社××の取締役として同社を経営するとともに塾長として塾生の指導に当たっていたが,その授業等で,自分は東京大学医学部を卒業した医師で,ハーバード大学等に留学するなどして高度かつ先端の研究活動に従事しているなどとの嘘言を繰り返して塾生らにこれを信じ込ませていたものであるが,その誤信を利用し,診察・治療行為等を仮装して,被告人のわいせつな行為の目的を気付かせないで,女子塾生らに,これに応じさせようと企て,以下の各犯行に及んだ。
 第1 被告人は,平成12年4月ころから,神奈川県藤沢市藤沢〈番地略〉○○藤沢教室等において,同塾塾生(当時)のA子(昭和62年2月27日生)に対し,ロンドン生まれの同女の顔にほくろが数個あることについて,「君はメラノーマかもしれない。君は普通の日本人より色素が薄いから」「日本は紫外線が強いから,君は普通の日本人よりメラノーマになりやすい。メラノーマは,ほくろが癌化して全身に転移する。メラノーマにかかったら,もって半年」などと言い,これに不安を覚え,左乳房下のほくろについて相談に来た同女に「それは危ない」「病院で切り取って調べると,悪性になって全身に広がる。病院には行くな」などと断言し,診察と称して同女の上半身を裸にしてそのほくろを見付けるや,「普通のほくろとは違う。ふくれたようなほくろで,ほくろと肌の境界線がはっきりしてない。色にもむらがある。危ないかもしれない。もしかしたら悪性かもしれない。このままだとちょっとやばいんではないか。もしこのほくろがメラノーマだったら,乳房に,触ると分かるようなしこりができる。癌を早期発見するためには触診したほうがいい。」「いつしこりができるかも分からない。だからこれからも続けた方がいい。」「胸にほくろがあると乳癌になりやすい。乳癌になると子宮に転移しやすい。子宮に転移すると全身に転移する。子宮に転移したかどうかは,指を入れて触ると分かる。」「治療をやめると一気に悪い方向へ行くかもしれないから続けないといけない。」などと言って同女に,医師である被告人にはわいせつ目的などはなく,同女の悪性黒色腫(メラノーマ)や癌の早期発見及び治療のために被告人による乳房や陰部等の検査・治療を受ける必要があると信じ込ませて,被告人の指示や行為に疑いを懐いて拒否することができない心理状態に陥らせたうえ,その抗拒不能状態に乗じて以下の各わいせつ行為をした。
 1 被告人は,平成13年4月14日ころ,前記藤沢教室において,A子(当時14歳)に,悪性黒色腫や癌の診療行為等を装って,着衣を脱いで全裸にならせたうえ机の上に仰向けに寝かせ,陰部を押し開き,手指を挿入するなどしたり,その乳房を手でもむなどしてその身体を弄び,さらに,その陰部等をビデオカメラで撮影した。
 2 被告人は,平成14年7月21日ころ,同県鎌倉市岡本〈番地略〉○○大船教室個別指導教室において,同女(当時15歳)に,同様な診療行為等を装って,着衣を脱いで上半身裸にならせ,乳房を手で触るなどしたうえ,全裸にならせて机上に仰向けに寝かせ,陰部を押し開き,手指を挿入するなどしてその身体を弄び,さらに,その陰部等をビデオカメラで撮影した。
 3 被告人は,同年11月3日ころ,同個別指導教室において,同女に,同様な診療行為等を装って,同様に全裸にならせて机上に仰向けに寝かせ,股を開かせたうえ陰部を押し開き,手指を挿入するなどしてその身体を弄び,さらに,陰部等をビデオカメラで撮影した。
 4 被告人は,平成15年1月13日ころ,同教室において,同女に,同様の診療行為等を装って,同様に全裸にならせて机上に仰向けに寝かせ,股を開かせたうえ陰部を押し開き,手指を挿入したり,舌でなめるなどして弄び,さらに,その陰部等をビデオカメラで撮影した。
 5 被告人は,同年7月17日ころ,同教室において,同女(当時16歳)が同様の状態にあるのに乗じ,同様の診療行為等を装って,同女に制服を着たまま机上に仰向けに寝かせ,その太股等を手で触るなどし,パンティを脱がせ,股を開いたうえ陰部を押し開き,手指を挿入するなどし,さらに同女に着衣を脱いで全裸にならせて机上に俯せに寝かせ,その太股付近を手でなでるなどしてその身体を弄び,さらに,その陰部等をビデオカメラで撮影した。
 第2 被告人は,塾生らの向学心を利用し,頭が良くなるプログラムのための診療・施術等を装って,わいせつな行為をしようと企て,平成14年5月25日ころ,前記大船教室等において,同塾塾生(当時)のB子(昭和62年8月21日生)に対し,「君は数学ができないようだ。まだ受験に間に合うから脳が活性化するような治療をしてあげる。背中を指圧すると頭が良くなる。」「前にもやった生徒がいて,その生徒たちはみんな大学に受かっている」などと言い,同女に,医師である被告人にはわいせつ目的などはなく,その指示どおりに診療・施術を受ければ頭が良くなり受験に役立つものと信じ込ませて,被告人の指示や行為に疑いを懐いて拒否することができない心理状態に陥らせたうえ,その抗拒不能状態に乗じて以下の各わいせつ行為をした。
 1 被告人は,平成14年5月26日午前10時ころ,同教室個別指導教室において,B子(当時14歳)に着衣を脱がせ,ブラジャーのホックを外して上半身裸にならせて乳房をもむなどし,さらに全裸にならせてテーブル上に仰向けに寝かせ,股を開かせ,陰部を手指で触るなどし,さらに,同女をそのテーブル上に俯せに寝かせ,聴診器を当てたり,背部を肘で強く押すなどして前記診療・施術等を装う動作をし,陰部を押し開き,手指で触るなどして弄ぶとともに,これらの様子をビデオカメラで撮影するなどした。
 2 被告人は,同年11月23日午前10時ころ,同教室において,同女(当時15歳)に着衣を脱いで全裸にならせてテーブル上に仰向けに寝かせ,その股を開かせ,陰部を押し開き,手指で触るなどして弄んだうえ,デジタルカメラで撮影し,さらに,B子をテーブル上に俯せに寝かせ,背部を肘で強く押して前記施術を装う動作をし,陰部を押し広げるなどし,これらの様子をビデオカメラで撮影するなどした。
 第3 被告人は,前記第2と同様に,頭が良くなるプログラムのための診療・施術等を仮装してわいせつな行為をしようと企て,平成15年1月18日ころ,前記大船教室において,どうしたら成績を良くできるかなどと質問してきた同塾塾生(当時)のC子(当時16歳)に対し,「頭の良くなる治療を受けてみるか。脊椎を押して神経を刺激すると頭が良くなる。」などと嘘を言い,「僕がやるから費用はかからない。」などと誘い,同女を前記B子と同様に誤信させて同様の心理状態に陥らせたうえ,同月26日午前8時40分ころ,同教室塾長室において,同女に着衣を脱いで全裸にならせてテーブル上に仰向けに寝かせ,手で乳房をもみ,持ち上げるように触り,腹部を押すなどしてその身体を弄び,陰部等をビデオカメラで撮影し,さらに,同女をテーブル上に俯せに寝かせ,背部を肘で強く押して前記施術を装う動作をし,臀部及び両大腿部内側等を両手でなでるように触るなどして弄び,人を抗拒不能にさせてわいせつな行為をした。
 第4 被告人は,前記第2と同様に,頭が良くなるプログラムのための診療・施術等を仮装してわいせつな行為をしようと企て,平成15年10月下旬ころ,前記大船教室において,同塾塾生(当時)のD子(昭和62年12月4日生)に対し,「頭が良くなるプログラムを君にはしようと思っている。」「脊椎の13椎の間を肘で直接刺激することで自律神経が刺激され,体質が変わる。」「それで反応が良くなり,頭が良くなる。」「頭が良くなるプログラムは医学の第1歩だ。」「自分以外の者が脊椎を刺激してもうまくできず,神経を傷つけることになる。」などと嘘を言い,同女を前記B子と同様に誤信させて同様の心理状態に陥らせたうえ,その抗拒不能状態に乗じて以下の各わいせつ行為をした。
 1 被告人は,平成15年11月18日午後5時30分ころ,同教室塾長室において,同女(当時15歳)に対し,「プログラムができる体かどうか調べるから服脱いで。」などと言い,ブラジャーのホックを外すなどして,同女に脱いで上半身裸にならせて丸椅子に座らせたうえ,聴診器を用いるなどして診察を装いながら,乳房を両手でもむなどして弄んだ。
 2 被告人は,同月21日午後6時ころ,同塾長室において,同女に着衣を脱ぎ膝掛けを巻いてテーブル上に俯せに寝かせ,その膝掛けを外して全裸にし,背部・両膝裏を肘等で強く押して前記施術等を装う動作をし,その両大腿部内側を両手でなでるように触り,さらに,その腰部付近に頬ずりするなどしてその身体を弄んでわいせつな行為をし,その際,上記動作により,D子に全治約2週間を要する腰椎挫傷,両膝挫傷の傷害を負わせた


(法令の適用)
 被告人の第1ないし第3の各行為はいずれも刑法178条,176条前段(第1,第2の各行為はいずれも包括して)に,第4の各行為は包括して同法181条(178条,176条前段)にそれぞれ該当するところ,第4の罪について所定刑中有期懲役刑を選択し,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により最も重い第4の罪の刑に同法14条の制限内で法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役8年に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中180日をその刑に算入することとする。

 同一児童に対する数回の強制わいせつ罪(176条後段)を包括一罪にしてますね。
 立川支部のもそれで控訴できそうです。