児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

なぜ、被疑者1人で出頭しても、自首とならず、逮捕されることがあるのか?

 児童買春罪・製造罪・淫行罪で逮捕された人からの相談としてよくあるんですが、逮捕されちゃってからではもう遅いわけですが、話を聞いて分析するに、
  出頭=自首と誤解していること
  福祉犯は原則逮捕の運用になっていることを知らないこと
  逮捕相当事案かそうでないのかの見分けが付いていないこと
「悪質な事案しか逮捕されない」「警察が来てから認めれば逮捕されないだろう」という地元の弁護士の回答を軽信したこと
  何が有罪の証拠になるのかを知らないこと
  事前調整ができないこと
  一度出頭すると引き返せないのに、事前の準備をしないこと
  警察が被疑者の言ったこと・言いたいことを全部記録してくれると楽観していること
  否認されがちな事項について、警察の誘導にのって、認否不明ないし否認の供述をしてしまう
というところでしょうか。
 検挙された人うち逮捕される率が、微妙な数字ですので、たしかに、うまく自首すれば、逮捕されない方に持って行ける可能性がある罪です。
 確実に法律上の自首をして、自習の法的効果を目指すのなら、事前に弁護士と相談して、自首のメリット・デメリットとかをよく聞いて、弁護士に準備・調整してもらう必要があると思います。
 ちなみに、児童ポルノ・児童買春の公判請求事件で自首が認められた事件も、自首減軽になった事件も、いまのところありません。

児童ポルノ所持容疑逮捕=滋賀
2011.04.16 読売新聞
 「DVDをばらまく」と言われた女子高生が守山署に相談したところ、容疑者が14日、同署に出頭した。

児童買春容疑で25歳男逮捕 母に見つかり諭され出頭=大阪
2009.03.05 読売新聞 
 同署によると、容疑者は一人暮らしで、4日昼、訪問してきた母親に女子生徒と一緒にいるのを見つかって諭され、母親に付き添われて交番に出頭、容疑を認めたという。

女子高生にみだらな行為をした疑い
2009.05.01 中日新聞
 同署によると、容疑者は4月中旬、沖縄の実家に戻っていたが、発覚を恐れ出頭した。事実は認めているという。

恐喝:テレビカメラのテープ脅し取る 容疑で出会い喫茶経営者逮捕−−横浜 /神奈川
2008.10.09 毎日新聞 
 県警が同日、喫茶の男性従業員を県青少年保護育成条例違反容疑で逮捕し、家宅捜索していた。カメラマンが県警に被害届を出し、捜査を知った容疑者が8日、同署に出頭した。

児童買春の疑いで元風俗店経営者を逮捕 愛知・名東署 【名古屋】
2001.06.15 朝日新聞 
 調べでは、A容疑者は昨年4月18日午後7時55分ごろ、名古屋市名東区内のホテルで、同市内のアルバイト店員の少女(17)に、18歳未満であると知りながら、みだらな行為をした疑い。今月12日、同容疑者は同署に出頭し、逮捕された。