多数件起訴されて実刑を覚悟している事案で、他の事案より不当に重くしないでくださいということで、同種の判決を選んで出すことがあります。事件の証拠ではないので弁論要旨に添付する。
弁護人「同種事案の科刑状況です。実刑事案が多いですが、この程度の刑期であって、検察官の御求刑のようなべらぼうなものは見あたらない。」
裁判所「でも、これ、弁護人が判決書を持ってるということは、奥村先生がついて軽くなったばっかりじゃないですか?」
弁護人「いや、長岡支部のを除けば、いずれも一審判決は国選の他の弁護士なので、あまり弁護の形跡がない。それがこの程度の宣告刑だということですよ。控訴審弁護したから判決書が来てるだけです。控訴審判決は、ややこしいので、持ってきてません。」
裁判所「ほんとですか?」
弁護人「ほんとだって!嘘だと思うならもっと重いのを検察官に探させて持って来させればよい。これくらいなんですって。」
裁判所「検察官も一応、資料を探しておいてください。」
弁護人「裁判所に見せるなら弁護人にも下さい。」
検察官「・・・」
裁判所も検察官も量刑相場を知っていると信じているんですけどね。ときどき2倍くらいの求刑をふっかけられることがあります。