控訴審弁護をやった経験があると、こういうミスは見逃しません。あら探しだとか言われても。
こんなの言い渡したらダメですね。検察官の席が空いてるのはみんなわかる。
閉廷したのに、福井の弁護士は30分待ってくれるんですね。
http://www.fukuishimbun.co.jp/topics.php?code=13520
閉廷後、書記官や弁護士が検察官の不在を指摘。裁判官は福井刑務所に戻る途中だった被告を呼び戻し、三十分後に再び同じ判決を言い渡したという。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060824i104.htm
同地裁などによると、公判は午後4時30分開廷。池上尚子裁判官は検事不在に気づかなかったとみられ、開廷して判決を言い渡した。検事は8分遅れで到着したが、裁判官らが退席した後だった。その後、書記官が検事不在を池上裁判官に指摘し、午後5時から再び公判を開いた。
刑訴法第282条〔公判廷〕
公判期日における取調は、公判廷でこれを行う。
②公判廷は、裁判官及び裁判所書記が列席し、且つ検察官が出席してこれを開く。
弁護人が再開に応じるかは被告人の利益を考えないと。
絶対的控訴理由ではないようですが、判決日(未決とか控訴期間とか)が変わりますから、「判決に影響を及ぼす」んじゃないですか。実刑だから控訴理由は多い方がいいかと思います。
第379条〔同前−訴訟手続の法令違反〕
前二条の場合を除いて、訴訟手続に法令の違反があつてその違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつて明らかに判決に影響を及ぼすべき法令の違反があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
控訴して破棄してもらえば法定通算もらえたのにね。受刑される人には1日でも早く出たいし、懲役もも短い方がいいんですけど。
第495条〔未決勾留日数の法定通算〕
上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
②上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
一 検察官が上訴を申し立てたとき。
二 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
③前二項の規定による通算については、未決勾留の一日を刑期の一日又は金額の四千円に折算する。
④上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。
弁護人は事実経過を公判調書に残すように上申なり調書異議をつけておくべきですね。
追記
被告人にとって同じ判決を何回聞かされても不利益はない。
問題は、その判決の言渡し手続に違法がある(裁判所が法律を知らなかった)ということだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/16378/
福井刑務所へ向かう護送車から呼び戻された男性被告は、全く同じ判決文を2度も聞かされる“被害者”に。法廷を見学していた3人の司法修習生にとっては、この上ない“悪い見本”となった。
追記
控訴した模様です。
いい加減な裁判で刑務所に送られるのは納得いかんもんな。
公判調書もチェックしておかないとだめなんですが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060901-00000229-mailo-l18
福井地裁:検察不在判決の被告が控訴 /福井
福井地裁の裁判官(41)が検察官不在で判決を言い渡した問題で、覚せい剤取締法違反の罪に問われた被告(48)は31日までに、名古屋高裁金沢支部に控訴した。