児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

上告審における未決算入日数

 身柄事件の控訴審判決後に被告人から
  上告したら軽くなりますか?
  未決たくさんもらえますか?
と聞かれます。
 ベテラン弁護士からひそひそと教えられたり、高裁の裁判長から公然と教えてもらったりするのですが、最高裁判例検索でもわかりますね。
 上告後5ヶ月を越えると、上告後〜棄却の日数の半分弱を未決算入しているようです。
 たいてい、5ヶ月以内に棄却されます。
 なんで半分なのかについては、未決勾留は禁固刑みたいなものなので、禁固刑と懲役刑の比較からじゃないでしょうか?200日の未決=200日の禁固→100日の懲役に換算して懲役刑期から差し引く。

上告審判決 控訴審判決 待ち日数 うち未決算入
H20.1.22  H19.5.31 236日 110日
H18.11.7  H16.12.20 687日 300日
H18.12.8  H18.4.25 227日 110日
H19.2.8  H18.7.25 198日 70日
H19.3.20  H18.9.28 173日 60日
H19.7.18  H18.11.10 250日 150日
H19.6.19  H18.12.14 187日 60日
H19.7.2  H18.11.21 223日 90日
H19.7.17  H18.10.11 279日 140日
H18.3.27  H17.9.13 195日 70日

 とすると、被告人上告の場合上告理由がたたないのに上告して、即棄却されるのであれば、確定を送らせる以外にあまり意味がない。
 しっかりした上告理由がたつのであれば、上告すれば、棄却された場合でも、表面上は出所は遅れるが服役期間は減るので、実質的には不利益はないということになります。上告理由がたつかどうかは、控訴理由次第です。


刑法
第10条(刑の軽重)
1 主刑の軽重は、前条に規定する順序による。ただし、無期の禁錮と有期の懲役とでは禁錮を重い刑とし、有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるときも、禁錮を重い刑とする。
2 同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
3 二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。

刑法
第21条(未決勾留日数の本刑算入)
未決勾留の日数は、その全部又は一部を本刑に算入することができる。

刑訴法
第495条〔未決勾留日数の法定通算〕
上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
②上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
一 検察官が上訴を申し立てたとき。
二 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
③前二項の規定による通算については、未決勾留の一日を刑期の一日又は金額の四千円に折算する。
④上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。