児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「入れ墨」とは、人の肌に針、小刀等で傷をつけ、そこに墨、朱等の色料を刺し入れて皮下に着色し、絵画、文字、符号等を表したものをいう。」北海道青少年健全育成条例

「「入れ墨」とは、人の肌に針、小刀等で傷をつけ、そこに墨、朱等の色料を刺し入れて皮下に着色し、絵画、文字、符号等を表したものをいう。」北海道青少年健全育成条例


 裁判例では「ケン&メリー」とか「トシちゃん命」とか出てきます。

「未成年とは知らなかった」少女3人の体に入れ墨 "彫り師"の46歳男を逮捕…代金が払われず何度も請求→警察に相談され発覚
男は17歳の少女に2万円、紹介された17歳の少女に1万円、16歳の少女には3万円を請求していました。
 施術後に少女らが代金を払わず、男からの請求が頻繁に来たことから少女の1人が親に相談。
 親から「入れ墨の代金を請求されて困っている」と2023年3月に警察に相談がありました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c484c239cd755b410bd0a45198189b735e11c72

北海道青少年健全育成条例の解説2020
(入れ墨の禁止)
第39条
1何人も、青少年に対し、入れ墨を施してはならない。
2 何人も、青少年に対し、入れ墨を受けることを強要し、勧誘し、又は周旋してはならない。
【趣旨】
本条は、青少年が単なる好奇心や一時的な感情等で思慮分別なく入れ墨を施すことは、将来に禍根を残すばかりか更正の機会を失するなど、健全な育成を阻害する要因となるため、入れ墨を施す等の行為を禁止する規定である。

【解説】
1 第1項関係
(1) 第1項は、青少年に入れ墨を施すことを禁止する規定である。
(2) 「入れ墨」とは、人の肌に針、小刀等で傷をつけ、そこに墨、朱等の色料を刺し入れて皮下に着色し、絵画、文字、符号等を表したものをいう。
(3) 「施し」とは、自ら青少年の身体に対し、入れ墨を施す行為をいう。
2 第2項関係
(1) 第2項は、青少年に入れ墨を受けることを強要したり、勧誘したり周旋することを禁止する規定である。
(2) 「強要」とは、青少年の意思に反して強いることをいう。
(3) 「勧誘」とは、青少年に対し入れ墨を入れるよう積極的に働きかけることをいい、言葉によると動作によるとを問わず、入れ墨を入れる意思のない者に勧めてその気にさせたり、又は入れたい意思のある者に働きかけ助長する場合等である。
(4) 「周旋」とは、仲介、斡旋をすることをいう。
3 本条の規定に関する行為は、いずれも青少年の同意の有無を問わない。
なお、本条の規定は、正当な理由のある場合、例えば、医療上の判断から必要な場合(眉毛等が薄い場合、傷跡を隠す場合)など、客観的に青少年の健全育成を害しないと明白に判断される場合は、対象外となる。
罰則】
本条に違反した者は、1年以下の懲役又は50 万円以下の罰金に処せられる。(第58 条)なお、本条の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、処罰を免れることができない。(第65 条
【関係法令】
■刑法第223条(強要)
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第24条(少年に対する入れ墨の強要等の禁止)、第25条(少年に対する入れ墨の強要の要求等の禁止

第58条
第38条第3項又は第39条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
に処する。
第65条
第34条、第38条又は第39条の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第57条、第58条、第60条又は第61条(第3号に係る部分に限る。)の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときは、この限りでない。
解説
第65条中「過失がないとき」とは、青少年に年齢、生年月日を尋ね、身分証明書、学生証の提示を求めるなど、客観的に妥当な年齢確認を行ったにもかかわらず、当該青少年が年齢を偽ったり、虚偽の身分証明書を提示し、しかも客観的に18歳以上の者として誤認されるような状態である場合など、違反者の側に過失がないと認められる場合をいう。
なお、この場合の過失がないことの証明の挙証責任は、違反者が負うことになる。