児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

ドイツでは単なるキャッシュデータの保存であっても児童ポルノの所持に当たる


 キャッシュOKっていうと、キャッシュ形式で保存しますよね。

https://chuo-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=7973&item_no=1&page_id=13&block_id=21
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髙良幸哉「児童ポルノ文書の自己調達および所持StGB §§ 184b IV, 52, 53」ドイツ刑事判例研究(88)
3 本件の検討に際し,先例となる裁判例について概観する。まず,本 件以前の下級審の裁判例として,Schleswig高等裁判所2005年?月15日判 決*1がある。これは,被告人がインターネット上で児童ポルノ的な文書に 当たる内容のウェブサイトを閲覧した事案につき,少なくともインターネ ット上で児童ポルノ的内容を検索した者,かかる内容のウェブサイトを呼 び出した者,コンピュータのディスプレイ上で見た当該サイトの単なる閲 覧者も,184b条の意味における所持調達として可罰的になるとする。次 に,BGHの判例として,BGH2005年?月?日決定*2は,改正前StGB184 条?項に基づく他人調達が競合する事案において,調達行為と所為単一で ある所持行為がそれぞれとも所為単一であることをもって,かすがい的 に,これらを所為単一のものとした事案である。当該事案に関しては,法 益侵害性の高い他人調達行為の法定刑が184条各号の犯罪と同等の処罰が 科されていたことから,これらを観念的競合とすることで刑の加重をして いる。その後の裁判例としては,BGH2006年10月10日決定*3がある。これ は,被告人が異なる日に数度にわたり児童ポルノ的内容を含むウェブペー ジを検索し,一方では自ら児童ポルノ的内容のデータファイルを自身のラ ップトップのハードディスク内にダウンロードして保存し,一方では閲覧 により,自動的に児童ポルノ的ウェブサイトのデータのキャッシュデータ が同ハードディスク上に保存されたという事案につき,BGHは,システ ム上自動的にキャッシュデータがハードディスク上から削除されるまでの 間,何時でも児童ポルノ的データファイルを検索することが可能である点 を指摘して,単なるキャッシュデータの保存であっても児童ポルノの所持に当たる旨明示している。この点について明示したのは,このBGH2006 年決定が初めての裁判例である*4。