児童ポルノ法の「業として貸与罪」というのはもともと珍しいのですが、改正で「提供」(1項、4項)に変わり、罪名としては出てきません。
わいせつ図画の貸与については、実は、これといった判例はありません。販売は所有権移転だから、頒布にしとこうという程度。なにせ有体物説ですから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060620-00000233-mailo-l38
事件・事故24時:児童ポルノ法違反容疑で2人逮捕 /愛媛
児童ポルノ等を含むわいせつビデオとDVDを貸し出し、または販売した疑い。入手先や背後関係を調べる。
第7条(児童ポルノ提供等)
児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。
貸与罪を含む裁判例
札幌 地裁 H12.
横浜 地裁 H12.
横浜 地裁 H12.
横浜 地裁 H12.
岡山 地裁 H12.
岡山 地裁 H12.
報道を見る限り、だれも疑わずに、レンタル=頒布罪という実務が定着しているようです。
なお、わいせつ物の「頒布」目的所持は罪になりません。販売と頒布がなんでこういう区別になったのかは知りません。時代遅れなことは確かで、改正案では定義が動かしにくい「販売」が姿を消します。
第175条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。