児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

撮影型強制わいせつ罪と姿態をとらせて製造罪が併合罪となっている事例(富山地裁R011203)

 「同児童(当時10歳)が13歳未満であることを知りながら,手でその下衣及び下着を脱がせた上,両足を大きく広げさせて陰部を露出する姿態をとらせ,同陰部付近を自己の携帯電話機付属のカメラで接写し」と「前記第2のとおり同児童に性器等を露出させる姿態をとらせ,これを自己の携帯電話機付属のカメラで撮影して,同携帯電話機に内蔵の電磁的記録媒体に記録させて保存し,」とが、社会的見解上2個の行為だというのですよ。
 判例は「撮影」と「保存」とが違うとかいいますけど、デジカメで保存できてなかったら「撮影失敗」「撮影できてない」っていいますよね


強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,暴行被告事件
富山地方裁判所判決令和元年12月3日
(罪となるべき事実)
 被告人は
第2 平成29年1月9日午後2時21分頃から同日午後2時22分頃までの間,前記場所において,同児童(当時10歳)が13歳未満であることを知りながら,手でその下衣及び下着を脱がせた上,両足を大きく広げさせて陰部を露出する姿態をとらせ,同陰部付近を自己の携帯電話機付属のカメラで接写し,もって13歳未満の児童に対してわいせつな行為をした。
第3 同児童が18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第2の日時頃,前記第2の場所において,前記第2のとおり同児童に性器等を露出させる姿態をとらせ,これを自己の携帯電話機付属のカメラで撮影して,同携帯電話機に内蔵の電磁的記録媒体に記録させて保存し,もって衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。
第4 平成30年3月14日午後9時3分頃から同日午後9時4分頃までの間,前記当時の被告人方において,前記児童(当時12歳)が13歳未満であることを知りながら,同児童にその胸部及び性器等を露出させる姿態をとらせ,その陰部を指で広げるなどした上,これを自己の携帯電話機付属のカメラで撮影し,もって13歳未満の児童に対してわいせつな行為をした。
第5 同児童が18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第4の日時頃,前記第4の場所において,前記第4のとおり同児童にその胸部及び性器等を露出させる姿態をとらせ,これを自己の携帯電話機付属のカメラで撮影して,同携帯電話機に内蔵の電磁的記録媒体に記録させて保存し,もって衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造した。
(法令の適用)
 罰条
  判示第1,第2の各所為
   各平成29年法律72号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条後段
  判示第3,第5の各所為
   各児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2項,2条3項3号
  判示第4の所為
   刑法176条後段
  判示第6の所為
   刑法208条
 刑種の選択     判示第3,第5,第6につきいずれも懲役刑
 併合罪の処理    刑法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い判示第4の罪の刑に法定の加重)
 未決勾留日数の算入 刑法21条
 訴訟費用の不負担  刑事訴訟法181条1項ただし書
(量刑の理由)
(出席した検察官 武藤絢子)
(出頭した国選弁護人 脇徹)
(求刑 懲役7年)
  令和元年12月6日
    富山地方裁判所刑事部
           裁判官  小林礼子