児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童淫行罪と強制わいせつ罪で有罪となった事例(福井地裁H28.1.27)

児童淫行罪の構造は
  犯人→児童 影響関係
  児童→他人 淫行する
ということなんですが、強制(暴行・脅迫)がある場合には、「児童が淫行した」とは言えないと思います。そういう裁判例もあります。気付かないのかな。

娘に淫らな行為 男に実刑判決 地裁=福井
2016.01.28 読売新聞
 娘(当時16歳)に淫らな行為をしたとして、強制わいせつと児童福祉法違反の罪に問われた男に対し、地裁(及川勝広裁判官)は27日、懲役2年8か月(求刑・懲役5年)の判決を言い渡した。
 判決によると、被告は2014年12月と15年2月、娘に自宅の浴室で淫らな行為をした。公判は、被害者の特定につながる恐れがあるとして、被害者や被告の名前を伏せて行われた。
 弁護側は、被害者がわいせつ行為を拒否したわけではないため、強制わいせつ罪が成立しないなどと主張。及川裁判官は、被害者が小学生の頃から被告による暴力を受けていたことなどから「被害者は被告をおそれていたため、拒否できなかった」とし、「実父の立場を利用した卑劣で悪質な犯行」と述べた。