児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ罪と3項製造罪の罪数処理の落とし穴

現在の判例状況は、
なんとなく
1 強制わいせつの機会に、撮影して、複製してない場合は、観念的競合。
()名古屋高裁 仙台高裁 広島高裁 高松高裁)
2 強制わいせつの機会に、撮影して、複製した場合は、併合罪。(広島高
裁)
という感じです。


例えば、
7/1に強制わいせつ罪+3項製造罪を犯した。
として、
ここで終われば、観念的競合。

7/1に強制わいせつ罪+3項製造罪を犯した。
8/1に自宅で複製
したら、強制わいせつ罪と3項製造罪(7/1〜8/1)が併合罪

なんか変ですよ。

7/1の行為について、観念的競合で起訴したとき、
8/1の行為を追加したいときはどうしますか?

7/1の製造罪と8/1の製造罪は、判例上、包括一罪だから、訴因変更で追加しま
すか?
でも、そうすると、
7/1に強制わいせつ罪+3項製造罪を犯した。
8/1に自宅で複製
が全体として科刑上一罪になっちゃいますよ。判例によれば併合罪にしないと
ダメなのに。
併合罪の数罪を一罪として起訴したら、訴因不特定となる恐れがあります。

大洲支部にそういう確定判決があります。
控訴すればいいのに、弁護人が重大性に気付かなかったんでしょう。