こういうのは、迷惑条例と強制わいせつ罪(176条後段)が両方成立することになって、両者の関係が問題になります。
被害者は強制わいせつ罪(176条後段)の被害を受けているのだから、遅滞なく強制わいせつ罪(176条後段)の告訴をすべきです。
犯人側とすれば、迷惑条例で逮捕、強制わいせつ罪(176条後段)で起訴ということもしばしばあって、捜査段階で示談して告訴を取り下げてもらえば起訴されないのですが、逮捕容疑が迷惑条例だと被疑者国選の対象外ですので、弁護人が示談する機会を逸することになります。
強制わいせつ罪(176条後段)の余罪多数で実刑必至のときは、捜査弁護の成否が刑期を決めることになりますので、最初の容疑が迷惑条例であっても、私選弁護人を選任して、仕事してもらう必要があります。
温泉施設で男児の裸を動画撮影したとして、鴻巣署は15日、容疑者(30)を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで現行犯逮捕したと発表した。
逮捕容疑は、14日午後5時半ごろ、北本市山中1の温泉施設の浴場で、小学5年生の男児(11)をデジタルカメラで動画撮影したとしている。容疑者は浴槽内で水中撮影していたといい、「仕事が減ってきていて将来が不安だった。うっ憤ばらしでやった」と供述しているという。
同署によると、容疑者のデジタルカメラには、別の男の子も撮影されていたという。
[毎日新聞社 2011年5月16日(月)]