児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

依頼者の意思確認の記録を残すように努めよう(月刊大阪弁護士会2010.11号P58)

 努力しています。

月刊大阪弁護士会2010.11号P58
そこで本稿では、弁護士が依頼者の意思確認を十分行ったかどうかに関する苦情や紛争の発生を防ぐ方法を考えてみたい。
弁護士の職務は、通常は、依頼者との間で特段の問題が起きることなく遂行され、終了する。ところが、レアケースではあるが、時間が経過した後に、唐突に弁護士から説明を受けていない、とか、自分は了承したことはない、と相手方に出した書面やすでに成立している和解の内容等に文句を言いだす依頼者が存在する。例えば、依頼者が高齢で経過等を忘れている人の場合は、弁護士が改めて説明すれば納得を得られる。問題は, 悪意を持って意図的にクレームを言い募って来ているのではないかと疑われる依頼者のケースである。この場合は、依頼者の望むような結果がでていなかったり、弁護士との信頼関係が維持されてるとは言い難い場合等もあって、改めて説明するだけでは事態.は収まらない。
その為に平素から最悪の事態に備えて対策を立てておくことが望ましい。ある意味では単純なことである。
要は、煩を厭わず記録化することであろう。以下にアトランダムに例示する。
イ ビデオや録音などに記録すること
映像や音声で残し、再現することをすれば、依頼者は納得するであろう。ただ、この方法は、必ずしも手経にできる一般的方法とは言い難い
ロ  書面化し、これを残す。
基本的なパターンである。委任契約や一件記録の返還の際の受領書は、典型例である。依頼者本人の署名をもらう。
重要な手続の説明には、弁護士から説明を受け内容を理解した旨の書面を作成しこれに依頼者本人の署名を貰う

ハ メールにより依頼者との打合せを行い、これを残す。
 相手方に出す文書案あるいは調印前の契約書案には、事前に、依頼者がその内容を了承した趣旨の署名を貰う。依頼者から弁護士宛にファックス返信される文書案には、内容了承の趣旨の署名をお願いする。
ニ 調停や裁判上の和解には、成立する期日に依頼者の出頭を確保し、その記載ある調書を保存する。

上に述べた、弁殺士が依頼者に説明し了承してもらったすI~笑の記録は、その事案の終了後、最低3年間は保管し、出来れば3年を超えても保管することが望ましい。