伝統的には、強制わいせつ罪(176条後段)、平成16年以降は3項製造罪も
適用されるようになっていますが、まだ罪名や罪数処理の点で、実務が定着し
ていません。
結果として、統計が混乱しています。
H16以前の撮影型の強制わいせつ罪(176条後段)事件の件数を10とすると、
現在の事件処理は、数字は例示ですが、
強制わいせつ罪(176条後段)のみ 5
3項製造罪のみ 1
強制わいせつ罪(176条後段)+3項製造罪(観念的競合) 3
強制わいせつ罪(176条後段)+3項製造罪(併合罪) 1
のようにかなりばらけています。
有名な宮城県警の母親による製造事件は
3項製造罪のみ
になっていますが、児童淫行罪も適用されているところをみると、極力生活安
全課の守備範囲で処理して強制わいせつ罪(176条後段)を避けたような痕跡
もあります。
13歳未満の裸体撮影行為が児童の性的自由を害する(一時的権利侵害)とと
もに性的虐待行為(継続的悪影響)であるとすれば
強制わいせつ罪(176条後段)のみ
3項製造罪のみ
という処理は、ただちに中止すべきだと考えています。
常に
強制わいせつ罪(176条後段)+3項製造罪
の両罪を適用するということで、できれば観念的競合でお願いします。