児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

3歳女児も被害…児童ポルノ摘発過去最多 被害者の半数以上が小学生


少年非行等の概要(平成23年1〜12月)2012年02月16日
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/syounennhikoutounogaiyou.pdf
 統計上は、年少者の強制わいせつ罪(176条後段)も減って、3項製造罪も減っています。
 年少者の撮影は、強制わいせつ罪(176条後段)+3項製造罪の観念的競合なのに、どちらか一方の罪のみで起訴されるケースが多いようです。
 撮影型の強制わいせつ罪(176条後段)に3項製造罪をくっつけると児童ポルノの被害者数はどんどん増えるし年齢はどんどん下がります。
 急務なのは、児童ポルノ罪とか性犯罪の罪を全部総動員して、犯人をがっちり検挙してがっちり処罰することだと思います。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120216-00000543-san-soci
身元が特定できた児童638人のうち、小学生以下は105人で最年少は3歳の女児だった。身元が特定できなかった児童の648画像について、医師が体形などから年齢鑑定を実施した結果、小学生以下の可能性があると認定したのは570画像。画像には重複している児童もいるとみられるが、被害者の半数以上が小学生となっている。

 児童ポルノの根絶に取り組んでいる元警察官僚で弁護士の後藤啓二氏は「摘発されるのは氷山の一角で、膨大な数の子供が傷つけられている。現行では規制のない児童ポルノの単純所持を禁じなければ、被写体とされた子供の苦しみは生涯続く。単純所持の禁止に向けた児童買春・児童ポルノ禁止法の改正が急務だ」と訴えている。

 実例として、宮城県警の実母による製造事件は、同種事件も含めて、生活安全課が処理しているので、強制わいせつ罪(176条後段)は立件されておらず、被告人は実刑になりませんでした。関与したおっさんも、福祉犯の罪名だけで起訴されて、強制わいせつ罪(176条後段)は起訴されず、比較的というか奇跡的に軽い量刑になっています。

http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/syounennhikoutounogaiyou.pdf
(2) 児童ポルノ事件
ア 実母による児童ポルノ提供等事件(宮城)
21 年8月、実母(32 歳)は、デジタルカメラで撮影した長女(3歳)の児童ポルノ画像を、インターネットサイトで知り合った男性に電子メールで送信して販売した。23 年1月、実母を児童買春・児童ポルノ禁止法違反で検挙した。
児童ポルノ愛好者グループによる児童ポルノ提供等事件(大阪)
児童ポルノ愛好者グループのメンバーである会社員(42 歳)ら7人は、小学校低学年の女児の児童ポルノ画像をグループ内で相互に交換、提供するなどした。23 年2月までに、会社員らを児童買春・児童ポルノ禁止法違反等で検挙した。
ウ インターネット掲示板開設者による児童ポルノ公然陳列事件(熊本)
22 年4月、団体職員(23 歳)は、インターネット上に掲示板を開設した上、児童ポルノが投稿されていることを知りながら管理を継続し、不特定多数のインターネット利用者に対し児童ポルノが閲覧可能な状態に設定して、公然と陳列した。23


 P2Pは全部監視しているはずなのに、提供側を検挙できていないようです。なら、次は取得罪ですが、提供側に手が回らないのなら、取得罪作っても手が回らないでしょう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120216-00000046-jij-soci
警察当局はネット上の画像掲載に重点を置いて取り締まりを強化してきた。接続事業者(プロバイダー)なども昨年4月から、ネットで画像を閲覧できないようにするブロッキングを始めている。
 ただ、ファイル共有ソフトブロッキングの影響を受けないため、警察庁幹部は「画像の入手に利用するケースが増えている」と指摘。09年からの3年間で、共有ソフトの利用は6.8倍に増加するなど深刻な状況となっている。

 あたかも幼児が増えたような記事ですが、児童ポルノの被害児童の増加分は中高生で援助交際ものですね。もっと撮影型の強制わいせつ罪(176条後段)に製造罪を立てないと、検挙した事件の実態すら統計に反映されません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120216-00000395-yom-soci
ネット上にわいせつ画像を公開されるなどした被害児童も最多の638人で、約16%に当たる105人は小学生以下だった。
 児童ポルノ対策としては、昨年4月からインターネット上のポルノ画像への接続を強制遮断する「ブロッキング」がスタート。警察当局ではブロッキングで防げないファイル交換ソフトを使った事件の取り締まりを強化していて、昨年は前年比約2・3倍の368件が摘発された