児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春・児童ポルノ被害児童の 保護施策に関する検証・評価専門委員会の動き。

 児童ポルノ・児童買春独自の害悪というのがあるということで児童ポルノ・児童買春法ができて、その害悪を後から調査する条項ができたんですが、調査研究してみても、児童ポルノ・児童買春独自の害悪というのはよくわからなくて、「性犯罪被害」に含めて検討するようです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-hosho_456129.html
社会保障審議会(児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会)
第4回 2021年3月18日
(令和3年3月18日)
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000754764.pdf
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に 関する法律に基づく、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の 保護施策の実施状況に係る検証・評価について(案)
令和3 年● 月● 日
社会保障審議会児童部会児童買春・児童ポルノ被害児童の 保護施策に関する検証・評価専門委員会決定
社会保障審議会児童部会児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会においては、平成28 年から令和2年の間に講じられた、児童買春・児童ポルノ事犯における被害児童の保護施策を下記4項目に分類した上(別添参照)で、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第16条の2第1項に基づき、下記のとおり被害児童保護施策の実施状況について検証・評価を行った。

1 被害児童に対する保護活動
子どもの性暴力事案については、家庭内での性暴力被害事案について策定された「児童相談所における性的虐待対応ガイドライン2011年度版」に従い、広く様々な子どもの性暴力被害・性的搾取被害事案においても、その発見と安全確保、正確な事実把握、再発の防止
と必要なケアを行うこととされている。多くの児童相談所が既に専門面接や診察の必要性を認識しているものの、専門面接の実施、面接者の配置について、十分な体制とはなっていない。これについては、児童虐待相談対応件数の増加による児童福祉司等の児童相談所の業務負担が増大していること、常時、人事異動が繰り返され人材の蓄積にバラつきがあること、最近の職員増による新人層の増加等も関連する要因と考えられる。
このため、平成30年12月策定された児童虐待防止対策総合強化プラン(平成30年12月18日)に基づく児童相談所の体制強化を着実に行う必要がある。

児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成11年法律第52号)第16条の2の規定に基づき児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、専門的な知識経験を有する者の知見を活用し、定期的な検証及び評価を行うため、こども家庭審議会社会的養育・家庭支援部会の下に「児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会」が設置されています。

【開催状況】

児童買春・児童ポルノ被害児童の保護施策に関する検証・評価専門委員会(第1回)(令和6年3月18日開催)
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/shakai_katei/jidobaishunhogo/d2017c33


検討事項の1つ目の児童への具体的な支援のあり方について、でございますが、この専門委員会自体の射程というのは、この法律に基づいて、法律16条2の規定、つまり、その児童買春の相手方となった、児童ポルノに描写された等によって、心身に有害な影響を受けた児童、そういったこどもたちがその対象となるわけでございますけれども、実際にこの福祉の支援の現場というのは、児童福祉施設児童相談所こういったところが支援の現場になると思いますけれども、児童福祉施設児童相談所での支援と考えた時には、法律に書いてある例えば、児童買春とか児童ポルノとか、そういったダメージを受けたその経緯とかに必ずしも限定をして支援を行っているわけではないというふうに、事務局として考えております。
・・・
そういう意味では、ここは児童買春の相手方とか、児童ポルノに描写されたというふうに狭めることなく、むしろ性的な被害を受けて、心身に有害な影響を受けたこどもへの支援として、いろいろ先生方のご意見を伺いたいという風に考えてるわけでございます。


・・・・・・・・・
ただいま事務局の小松課長様の方から、この委員会の対象となる検証の対象となる児童の範囲であるとか、検討事項について具体的にお話をいただいたわけですけれども、ちょっと今までも混乱があったところかもしれませんけれども、児童買春の相手方となったとか、児童ポルノに描写されたことによる心身に有害な影響というふうな限定的な支援という観点からは、非常に識別することとか、そこだけ抽出することが難しいだろうということで、こども家庭庁としては、性的被害を受けて心身に有害な影響を受けた児童が対象になるということをご説明いただきました。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第一四条(教育、啓発及び調査研究)
 国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの所持、提供等の行為が児童の心身の成長に重大な影響を与えるものであることに鑑み、これらの行為を未然に防止することができるよう、児童の権利に関する国民の理解を深めるための教育及び啓発に努めるものとする。
2国及び地方公共団体は、児童買春、児童ポルノの所持、提供等の行為の防止に資する調査研究の推進に努めるものとする。


第三章 心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置

第一五条(心身に有害な影響を受けた児童の保護)
 こども家庭庁、法務省都道府県警察、児童相談所、福祉事務所その他の国、都道府県又は市町村の関係行政機関は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童に対し、相互に連携を図りつつ、その心身の状況、その置かれている環境等に応じ、当該児童がその受けた影響から身体的及び心理的に回復し、個人の尊厳を保って成長することができるよう、相談、指導、一時保護、施設への入所その他の必要な保護のための措置を適切に講ずるものとする。
2前項の関係行政機関は、同項の措置を講ずる場合において、同項の児童の保護のため必要があると認めるときは、その保護者に対し、相談、指導その他の措置を講ずるものとする。


第一六条(心身に有害な影響を受けた児童の保護のための体制の整備)
 国及び地方公共団体は、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童について専門的知識に基づく保護を適切に行うことができるよう、これらの児童の保護に関する調査研究の推進、これらの児童の保護を行う者の資質の向上、これらの児童が緊急に保護を必要とする場合における関係機関の連携協力体制の強化、これらの児童の保護を行う民間の団体との連携協力体制の整備等必要な体制の整備に努めるものとする。


第一六条の二(心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の検証等)
 こども家庭審議会及び犯罪被害者等施策推進会議は、相互に連携して、児童買春の相手方となったこと、児童ポルノに描写されたこと等により心身に有害な影響を受けた児童の保護に関する施策の実施状況等について、当該児童の保護に関する専門的な知識経験を有する者の知見を活用しつつ、定期的に検証及び評価を行うものとする。
2こども家庭審議会又は犯罪被害者等施策推進会議は、前項の検証及び評価の結果を勘案し、必要があると認めるときは、当該児童の保護に関する施策の在り方について、それぞれ内閣総理大臣又は関係行政機関に意見を述べるものとする。
3内閣総理大臣又は関係行政機関は、前項の意見があった場合において必要があると認めるときは、当該児童の保護を図るために必要な施策を講ずるものとする。