児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

3項製造罪と強制わいせつ罪(176条後段)は観念的競合(高松高裁H22.9.7)

 2項破棄。
 高松高裁管内は控訴すればこれで統一されると思います。
 国盗りゲームみたいですが。
 仙台高裁・名古屋高裁・高松高裁が観念的競合説です。
 画像1個が3号児童ポルノの認定から外れました。

 使い方としては、処断刑期が変わる事件には極めて有効です。
 例えば、1回の強制わいせつ罪(176条後段)と3項製造罪を併合罪にされて実刑になった事件、同一児童に対する数回の強制わいせつ罪(176条後段)と3項製造罪を併合罪にされて実刑になった事件などでは、控訴審はかなり悩むと思います。

第3法令適用の誤りの主張について
論旨は,・・・
③原判示第2の児童ポルノ製造罪と強制わいせつ罪とは混合的包括一罪ないし児童ポルノ製造罪は強制わいせつ罪に吸収されると解すべきであるのに,両罪を観念的競合とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
しかし,
①の児童ポルノ製造罪と強制わいせつ罪との罪数関係の点は,本件においては,その行為の大半が重なり合っているから,観念的競合である。なお,所論は,予備的に,両罪が併合罪とされた場合には,原判決に訴訟手続の法令違反及び法令適用の誤りがあるとも主張するが,前提を欠く。
平成22年9月7日
高松高等裁判所第l部
裁判長裁判官長谷川憲一
裁判官山本恵三
裁判官赤坂宏一