条例28条2項の青少年条例違反は、「青少年を威迫し、欺き、又は困惑させ」「性行為」ということで、実行行為が限定されておって、「姿態とらせて」「撮影」とは社会見解上、一個の行為ではないとのことでした。
児童淫行罪とは観念的競合であっても、児童淫行罪と青少年条例違反とは違うんだそうです。
大阪府青少年健全育成条例
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第二十八条 何人も、次に掲げる行為を行ってはならない。
一 青少年に金品その他の財産上の利益、役務若しくは職務を供与し、又はこれらを供与する約束で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
二 専ら性的欲望を満足させる目的で、青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
3項製造罪(姿態とらせて製造)の「姿態をとらせる」と性犯罪・福祉犯の「性行為」がだぶるから、あるいは3項製造罪(姿態とらせて製造)の「撮影」と性犯罪・福祉犯の「性行為」がだぶるから、観念的競合と評価されているんですが、大阪地裁では、性犯罪・福祉犯の「手段・前提行為」と「姿態をとらせる」とを比較している点で失当です。
大阪地裁H19.7.5
(罪数関係)
弁護人は,の大阪府青少年健全育成条例違反の罪と3項製造罪とは観念的競合の関係に立っと解すべきであると主張する。
しかしながら,大阪府青少年健全育成条例号は,「専ら性的欲望を満足させる目的で,青少年を威迫し,欺き,又は困惑させて,当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行う」ことを処罰することとして,「威迫し,欺き,又は困惑させ」ることを実行行為の一部として掲げているところ,このような上記条例違反の実行行為と性行為等を撮影する行為とは,自然的観察の下で社会見解上一個のものとみることはできない。
弁護人は,児童福祉法上の児童淫行罪と児童ポルノ製造罪とが観念的競合の関係に立つと解した裁判例を論拠に上記のとおり主張するものであるが,児童淫行罪 (児童福祉法 34条 1項 6号)にいう児童に「淫行をさせる行為」は,行為者が児童に対し事実上の影響力を及ぼして児童が淫行することに原因を与えあるいはこれを助長する行為をして,その結果児童をして淫行をするに至らせることをいい,これと構成要件を明確に異にする上記大阪府青少年健全育成条例違反の罪について,同様に論ずることはできないというべきである。
なお、川崎支部では、提供目的製造罪と条例違反が観念的競合。
横浜地裁川崎支部
第1 青少年であることを知りながら結婚前提とせず 自己の性的好奇心を満たす目的で 性交した (神奈川県青少年条例違反)
第2 前記日時場所 児童ポルノを不特定又は多数の者に提供する目的で性交場面をデジタルビデオで撮影し その画像を保存した上児童ポルノ製造