提供罪における相手方(買った人、もらった人)と、提供犯人とは、必要的共犯だと思うんですが、判例は相手方は処罰しないのが合理的だと言っています。
奥村がそう言っているんじゃなくて、奥村は必要的共犯だと主張したのに、裁判所がこう判断したのです。
大阪高裁h18.9.21
児童ポルノを提供してこれを積極的に拡散した者と,これを 購入したにすぎない者との間では,児童の権利の擁護という立法趣旨から見て, その当罰性に差があることは当然であり,児童ポルノの提供者のみを処罰する 同罪の規定は合理的なものといえるから,これが法の下の平等(憲法14条) に反するとは解されない。
福岡高裁那覇支部h17.3.1
買主の買い受け行為にも法益侵害,違法性があるとはいえるが,売主の販売行為の違法性,法益侵害性が強度の可罰性,当罰性を有するのと比較して,前者の法益侵害,違法性の可罰性,当罰性は微弱であるから,販売行為のみを処罰の対象とし,買い受け行為を処罰の対象としないことが憲法14条に定める法の下の平等に反しないことは明らかである。