児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

[性犯罪]連続わいせつ教師に懲役15年求刑

 仮に、致傷とか強姦とかが無い純粋な強制わいせつ事件だけだとすると、併合罪加重された処断刑期上限の求刑になる。

http://www.kts-tv.co.jp/news/index.php?idnumber=10416
児童らにわいせつな行為を繰り返していた元中学校教師に対して鹿児島地検は30日この種の事件としては異例に重い懲役15年を求刑しました。この元中学校教師は教師になる前の大学生時代からわいせつ行為を繰り返し被害者は40人から50人に上ります。

第176条(強制わいせつ)
十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

 仮に、犯人が毎回写真に撮っていて、PCのHDDにまとめるとかさらにDVDに複製するとかした場合、一部の判例によれば、強制わいせつと児童ポルノ製造罪(撮影)は観念的競合、ダビングや複製は撮影行為とまとめて包括一罪、最終的に1個の媒体にまとめた製造罪(複製)は一罪、ということで、数人に対する強制わいせつ罪が科刑上一罪になる。処断刑期の上限は10年。15年という求刑はあり得ない。
 わいせつするなら、写真も撮っておけみたいな法律になる。

 こういう意味で、前提性犯罪と製造罪が科刑上一罪になるとか、数回の製造行為を包括一罪とするのには反対なのです。
 皮肉なことに、奥村がこういうと、裁判所は一罪という判断になるので、被告人に不利益にはならないのです。