http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nara/news/20050426ddlk29040651000c.html
高裁判例の傾向からすると、撮影(=児童ポルノ製造)と、演技(性交等=買春・強姦・淫行など)というのは、社会的に1個の行為とは評価しないので、製造罪と児童福祉法違反は併合罪。観念的競合とか牽連犯
児童ポルノ製造罪は地裁に係属するはずです。
先行する児童福祉法違反は家裁。
被告人の行為は悪質だとしても、この泣き別れによる不利益は気の毒です。併合審理もとめるべきですよ。
観念的競合とか牽連犯とか包括一罪だとして、家裁に起訴したら注目です。
起訴する検察官が罪数間違えると、管轄違判決になるんですよね。緊張するね。
判例タイムズNo,1081「児童の性的虐待と刑事法」
審理上の難点
前記の家庭裁判所の専属管轄の定めは、反面他の事件は家庭裁判所では審理できないのであるから、審理に当たって、事件の併合ができず、思いがけぬ不都合が生じることがある。同一の被告人が、例えば一四事件のように、覚せい剤使用と淫行罪で逮捕された場合に、覚せい剤取締法違反事件は地方裁判所に、児童福祉法違反事件は家庭裁判所に起訴しなければならない。これら二つの事件は別々に審理され、それぞれに判決をするので、通常の地方裁判所での事理のように、審理をできる限り一括して行い、併合罪処理された刑を垂疋するというわけにいかない。先行する裁判所が当該事件での刑を決め、遅れた裁判所が刑法四五条後段の併合罪として同法五〇条によりさらに処断することになる。しかし、それにしても、審理期間も絶対的に長くなり、二つともに実刑判決を受けた被告人の場合は重罰感を感じることは往々にしてあり、かかる事情がしばしば控訴審での量刑不当で原審破棄の結果を招く。もちろんこのような事態は、確定数判後に古い前の事件が起訴きれたときに地方裁判所でもあることではある。そのために刑法五〇条が存在し、地方裁判所でも、場合により主文二つの判決となることもあるが、家庭裁判所では、前後の事件がいわば見えているのに併合審理できないのはいかにも不自然でもどかしい。これがしばしば生じる不都合である。
(中略)
4 家裁調査官の活用策
しかし、折角少年法三七粂が存在するからには、これを意義あるものたらしめるための方途を探るのも一案かとも思う。児童買春処罰法も含め家庭裁判所での審理に械極的な意義を付与される意見もある。そうすると、本題の性的虐待の場合でいえば、懲役刑では治らないといわれる人格障害者の処遇、再犯防止及び被害児亜の今後の回復が裁判所の最も気がかりなところである。これに家裁調達官を活用できないものかと考える。