たまに裁判所と見解が一致すると気持ち悪かったりします。
原判決は・・・弁護人及び当裁判所と
法令の解釈適用について見解を異にし誤りといわなければならない
但し、ここまで言わせるには、外堀埋めるような前振りの判決を同じ裁判体で取っていて、裁判所を追いつめる必要がありました。
http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/webview/27642C03FB01140B49256E6700180854/?OpenDocument
しかしながら,平成14年7月17日付け起訴状記載の公訴事実については,所論が指摘するとおり,ダウンロードの概念についての誤解があると考えられる部分があるが,公訴事実からは所論指摘の趣旨でダウンロードしたものをハードディスクないしはフロッピーディスクに保存させる方法で児童ポルノを販売したものであると読み取ることができる。また,公訴事実及び原判決が画像データそのものを児童ポルノにあたるとしているのは後記(6)で判断を示すとおり弁護人及び当裁判所と法令の解釈適用について見解を異にし誤りといわなければならないが・・・
とにかく児童ポルノ法については、
奥村弁護士がAといえば、裁判所はB
奥村弁護士がBといえば、裁判所はA
と判断しているわけで、「AかBかどっちやねん?」という上告事件が2年近く最高裁に滞留しています。
事実に争いがない刑事事件でこう待たされると、法務大臣の交替とか刑法改正を待っているのではという観測も出てくる。
児童ポルノ罪で執行猶予中の再犯で実刑判決の人は、控訴審から罪数論・保護法益論を唱えて上告すれば、上告審の判決でませんから、未決日数で得するとか、執行猶予期間を渡河するとかの可能性があります。遅くとも控訴審からネタを仕込まないとだめですよ。