教室盗撮を禁止する条例もありますが
石川県迷惑行為等防止条例
第三条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人に対し、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪の情を催させるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体に、直接又は衣服その他の身に付ける物(以下「衣服等」という。)の上から触れること。
二 衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見すること。
三 衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影すること。
四 前三号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2 何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる人に対し、みだりに、衣服等を透かして見ることができる写真機等を使用して、次に掲げる行為をしてはならない。
一 衣服等で覆われている人の身体又は下着を見ること。
二 衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影すること。
3 何人も、住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服等の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人に対し、みだりに、次に掲げる行為をしてはならない。
一 人の身体又は下着をのぞき見すること。
二 人の身体又は下着を撮影すること。
4 何人も、集会場、事務所、教室その他の特定かつ多数の者が利用するような場所において、人に対し、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪の情を催させるような方法で、衣服等で覆われている人の身体又は下着を撮影してはならない
某県のように教室盗撮に対応していない場合もあります。
3 何人も、住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる他人に対し、第1項に規定する方法で、みだりに次に
(1) 当該状態にある他人の姿態を撮影すること。
(2) 前号に掲げる行為をしようとして、他人の姿態に撮影機器を向けること。
「客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」という場合
客室
更衣室
便所
浴場
その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
は並列されているので、
「客室、更衣室、便所、浴場」が「 人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」という意味ではない。
「文書法令作成事務」編著警察庁長官官房企画課
オ「その他」と「その他の」
「その他」は、特記された事項と「その他」の後に表示された語句とが一部対全部の関係でなく、単に並列的な例示関係にある場合に用いられる。「その他の」は、特記された事項が「その他の」の後に表示された語句の一部に包含される関係になっている場合に用いられる。例えば、「警察官その他政令で定める者」とし、えば、政令で定めるのは警察官以外の者になるが、「警察官その他の政令で定める者」なら、政令では警察官を含めた者について定めることとなる。
従って、
「客室」にはテント等一時的な客室
「更衣室」には臨時更衣室
「便所」には臨時便所
「浴場」には臨時浴場
も含みうる。
もっとも「 人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」については「通常」という要件があるので、一時的・臨時的なものは含まない。
※乗本正名ほか軽犯罪法第一条逐号解説警察学論集第15巻1号48頁
「衣服を着けないでいることがほとんど予想されない事務室・物置小屋などは含まれない」
※植松正軽犯罪法講義s23
「その他の場所」として表示されているものとしては、医師の診察室、治療室。旅館の一室、船室などを挙げることができる、これは法文例示のものと共にいずれも個人のものであろうと公共のものであろうと構わない
これらの場所は全てかならずしも常に人が衣服を着けないでいるわけではない。通常付けないでいるわけではない。むしろ通常付けないでいることあるべき場所なのである。その意味を表すために法文は「通常衣服を着けないでいる場所」といわずに、「いるような場所といっているのだと解せられる」
※稲田輝明・木谷明「軽犯罪法」注解特別刑法7 風俗・軽犯罪編
その他人が通常衣服を着けないでいるような場所
人が衣服を着けないでいることが十分予想される場所のことであり、衣服を着けていないのが通常である場所の意ではない。「ような場所」とは、右の趣旨を含むものと理解すべきである。病院の診察室・処置室、旅館やホテルの客室、列車の寝台、船の船室などのほか、キャンプ場のテントなどが、その例として考えられている(植松135頁 伊藤170 乗本94頁)。このような場所であれば、現に人が衣服を着けていなかったかどうかはもとより、人が現在していたかどうかを問わない。その意味で、本号の罪は、抽象的危険犯であるとされる(植松136頁)。しかし、それにしても、人の現在する可能性がそもそも考えられない場所(例えば、診療時間外で消燈後の病院の診療室など〉は、本号の客体にあたらないというべきであろう。それにしても人の現在する可能性がそ考えられない場所(例えば診察時間外で消灯後の病院の診察室)などは、本号にあたらない