ホテルに派遣してリフレしてくれる業態
■28262830
さいたま地方裁判所
平成30年05月09日
主文
被告人Y1及び被告人Y2をそれぞれ懲役1年6月に、被告人Y3を懲役1年に処する。
この裁判が確定した日から、被告人Y1及び被告人Y2に対し4年間、被告人Y3に対し3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。罪となるべき事実の要旨
起訴状記載の公訴事実と同一であるから、これを引用する。
公訴事実
被告人Y1及び同Y2は、雇用する女子児童を遊客が利用するホテルに派遣してリフレクソロジー等をさせる形態のいわゆる派遣リフレ店である「D」を営んでいたもの、被告人Y3は、その従業員として、女子児童をホテルまで案内したり、女子児童が遊客から受け取った利用料金を回収したりするなどしていたものであるが、被告人3名は、共謀の上、前記「D」で雇用する「E」こと●●●(当時17歳)が満18歳に満たない児童であることを知りながら、平成29年10月28日午後4時25分頃、(住所略)所在の「F」(省略)号室において、同児童に淫行等の相手方として●●●を引き合わせるなどし、その頃から同日午後5時51分頃までの間、同所において、同児童に、前記●●●を相手に同児童の乳房や陰部を触らせるなどさせ、さらに、同児童をして前記●●●を相手に手淫等の性交類似行為をさせ、もって児童に淫行をさせる行為をしたものである。
罪名及び罰条
児童福祉法違反 同法60条1項、34条1項6号、刑法60条
適用した罰条
刑法60条、児童福祉法第60条1項、34条1項6号、刑法25条1項、刑事訴訟法181条1項ただし書
量刑の理由
被告人3名は、被害児童らを使って本件事業を行っていた一環として、被害児童に対する悪影響を全く顧みずに、自身の利益のみを考えて本件犯行に及んだと認められるのであって、その動機及び経緯は強い非難に値する。そして、本件犯行時には被害児童に客と性交類似行為をさせており、被害児童の健全な育成を阻害するその態様及び結果は重大である。本件犯行における被告人らの役割をみると、被告人Y1及び被告人Y2は、本件犯行における中心的な役割を担い、両名で事業による利益を折半していたものであって、その責任は重い。また、被告人Y3は、被害児童らを送迎したり、料金を回収したりするなどの役割を担いつつ日当を受け取っていたものであって、被告人Y1及び被告人Y2程ではないとはいえ、その役割も重要であったと認められる。以上の事情等に照らすと被告人3名の犯情はいずれも悪く、本件ではそれぞれ主文掲記の懲役刑は免れない。
しかしながら他方で、被告人3名ともに本件事実を認めて反省の弁を述べていること、いずれも前科はないこと、情状証人が今後の監督を約束していること等の被告人3名にとって有利な事情も認められるので、今回は、それぞれ主文掲記の期間、その刑の執行を猶予するのが相当である。
第1刑事部
(裁判官 加藤雅寛)