児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

禁錮以上の刑に処せられたこと等により、法第 18 条の5に規定する欠格事由に該当することとなった者の保育士登録の取消しに関する事務の適正化を図るため、児童福祉法施行規則及び厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則の一部を改正する省令(平成 30 年厚生労働省令第 26 号)

 法文が見当たりません

http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000168016
児童福祉法施行規則及び厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則の一部を改正する省令案 (概要)
1.改正の趣旨
保育士が禁錮以上の刑に処せられたこと等により、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)第 18 条の5各号(第4号を除く。)に規定する欠格事由(以下「欠格事由」という。)に該当することとなった場合に、速やかに保育士登録の取消しが行われるよう、欠格事由に該当するおそれがある事案を都道府県知事が把握した場合に、当該都道府県知事が当該事案に係る保育士の本籍地の市区町村に対して犯歴情報の照会を行うこと等により、欠格事由に該当するかどうかを確認することとする旨の規定を新設するもの。
2.改正概要
保育士(国家戦略特別区域法(平成 25 年法律第 107 号)第 12 条の5に規定する国家戦略特別区域限定保育士を含む。以下同じ。)が逮捕されるなど、保育士が欠格事由に該当するおそれがあると都道府県知事が認める場合、当該都道府県知事は、当該保育士の本籍地の市区町村に対して犯歴情報の照会を行うこと等により、欠格事由に該当するかどうかを確認するものとすることとする。
3.改正省令
児童福祉法施行規則(昭和 23 年厚生省令第 11 号)
厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則(平成 26 年厚生労働省令第33 号)
4.根拠条文
児童福祉法施行令(昭和 23 年政令第 74 号)第 21 条
国家戦略特別区域法施行令(平成 26 年政令第 99 号)第9条において準用する児童福祉法施行令第 21 条
5.施行期日等
公布日:平成 30 年2月中旬(予定)
施行日:公布日

http://www.city.matsubara.osaka.jp/index.cfm/7,66611,c,html/66611/20180328-101431.pdf
子発0320第5号
平成30年3月20日
各 民生主管部(局)長
厚生労働省子ども家庭局長(公印省略 )
保育士登録の取消しに関する事務について
保育士登録に関する事務については、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号。以下「法」という。)第 18 条、「保育士登録の円滑な実施について」(平成 15 年 12 月1日雇児発第 1201001 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)等により実施されているところであるが、禁錮以上の刑に処せられたこと等により、法第 18 条の5に規定する欠格事由(以下「欠格事由」という。)に該当することとなった者の保育士登録の取消しに関する事務の適正化を図るため、児童福祉法施行規則及び厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則の一部を改正する省令(平成 30 年厚生労働省令第 26 号)(以下「改正省令」という。)を公布し、本日付で別添のとおり施行したため通知する。
改正省令の改正の趣旨及び運用の際の留意事項は下記のとおりであるため、御了知の上、その運用に遺漏なきよう期するとともに、管内関係機関、管内市町村及び関係団体等に対する周知を図られたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添える。

1 本人からの届出義務の周知徹底等による保育士登録の取消し(1)届出義務の周知徹底
児童福祉法施行規則(昭和 23 年厚生省令第 11 号。以下「規則」という。)第6条の 34 により、保育士は、法第 18 条の5各号(第4号を除く。)のいずれかに該当するに至った場合、遅滞なく、登録証を添え、その旨を保育士登録を行った都道府県知事に届け出なければならないこととされている。
この届出義務について、保育士登録を行う都道府県は、保育士登録を行う機会等において、周知を徹底すること。
(2)届出に伴う保育士登録の取消し
都道府県指定都市中 核 市 規則第6条の 34 に基づき、保育士等から欠格事由に該当する旨の届出があった場合、当該保育士の保育士登録を行った都道府県は、速やかに、当該保育士の本籍地の市町村(特別区を含む。
以下同じ。)に対し、保育士の犯罪の経歴に関する情報の照会を行うことにより当該事実の確認を行った上、保育士登録の取消しを行うこと。
2 施設等からの報告に基づく保育士登録の取消し等
(1)保育士が勤務する施設及び事業所への周知徹底
都道府県は、保育士が勤務する管内の施設及び事業所(以下「施設等」という。)に対し、保育士の欠格事由及び保育士が欠格事由に該当するに至った場合の取扱いについて、周知を徹底すること。
(2)保育士が勤務する施設等に対する報告依頼
都道府県は、保育士が勤務する管内の施設等に対し、当該施設等に勤務する保育士が逮捕されるなど、欠格事由に該当するおそれが生じた場合において、当該保育士の氏名、住所、生年月日及び保育士登録番号その他の必要な情報の報告を求める等により、保育士が欠格事由に該当するおそれがある事案について積極的な把握に努めること。
(3)欠格事由の該当の有無の確認
施設等から報告を受けた都道府県は、報告の対象となった保育士、当該保育士の家族、当該保育士の勤務する施設等を運営する事業者、当該施設等の所在地の市町村等に対し、情報提供を求めるとともに、報告のあった事案の裁判の傍聴等により、その裁判等の状況の把握に努め、欠格事由に該当するおそれがあると認めた場合、改正後の規則第6条の 34 の2に基づく確認を行うため、適宜、当該保育士の本籍地の市町村に対し、保育士の犯罪の経歴に関する情報の照会を行うこと。
この際、当該保育士の本籍地が不明な場合、住民基本台帳法(昭和 42 年法律第 81 号)第 12 条の2第1項に基づき、都道府県が当該保育士の住所地の市町村に対し、住民票の写しの交付の請求を行い、本籍地の確認を行うこと。
(4)保育士登録の取消し欠格事由に該当する保育士を把握した都道府県においては、法第 18 条の 19 第1項に基づき、速やかに、保育士登録の取消しを行うとともに、規則第6条の 35第1項に基づき、取消しを行った保育士に対し、理由を付し、取消しを行った旨を通知し、同条第2項に基づく保育士証の返納を求めなければならないこと。
この際、当該都道府県は、欠格事由に該当するおそれがある保育士の報告を行った施設等に対し、当該保育士の保育士登録の取消しを行った旨を通知すること。
また、欠格事由に該当する保育士を把握した都道府県と当該保育士の保育士登録を行った都道府県が異なる場合、欠格事由に該当する保育士を把握した都道府県は、児童福祉法施行令(昭和 23 年政令第 74 号)第 20 条に基づき、理由を付して、当該保育士の保育士登録先の都道府県に通知すること。
この通知に基づき、保育士登録の取消しを行った都道府県は、通知した都道府県に対し、当該保育士に送付した保育士登録の取消しを行った旨の通知の写しを送付すること。
なお、保育士証の返納を行わない者については、当該者の保育士登録番号をホームページに掲載するなど、当該者が保育士と偽って保育に関する業務に従事することがないよう、適切な措置を講じること。

https://mainichi.jp/articles/20180101/k00/00m/040/086000c
保育士の犯歴照会、義務に 登録取り消しを徹底
毎日新聞2018年1月1日 08時00分(最終更新 1月1日 09時35分)

社会一般
社会
速報

罪を犯した保育士の登録取り消しの流れ
[PR]


 幼児へのわいせつ事件などを起こした保育士の登録取り消しを徹底するため、厚生労働省は、児童福祉法の関連省令を2月に改正する方針を決めた。保育士の逮捕情報を把握した時点で、取り消しに向け確認することを都道府県に義務付ける。併せて、逮捕を知った保育所などにも速やかに報告させるよう都道府県に促す。【宇多川はるか、国本愛】
 神奈川県内の保育所で、過去に実刑判決を受けた保育士が登録を取り消されないまま勤務し、園児への傷害致死罪などで起訴される事件があり、再発防止策が求められていた。

 児童福祉法は、禁錮以上の刑を受けた保育士は都道府県が登録を取り消し、執行から2年経過するまでは再び登録できないと定めている。ただし、現行法は、罪を犯した本人が届け出ることを前提としている。届け出がなかったため逮捕情報を把握できず、取り消されなかったケースは少なくないとみられる。

 厚労省は省令改正に伴い、都道府県に対し、市区町村が保有する犯罪歴情報の活用を促す通知を出す。罰金以上の刑(道路交通法違反の罰金などを除く)が確定すると、検察から本籍地の市区町村に通知され、犯罪人名簿に記載される。こうした情報を活用することで、都道府県に保育士の犯罪歴の把握を徹底させる考えだ。

 神奈川県平塚市の認可外保育所で2015年12月、生後4カ月の男児が死亡し、勤務していた保育士の男が傷害致死や強制わいせつなどの罪で起訴された。この男は10年に、東京都内の保育所で女児にわいせつな行為をした強制わいせつ罪で懲役3年の判決を受け、服役していた。だが、登録先の神奈川県はこの情報を把握していなかったため登録は取り消されず、男は出所後に再び保育士として勤務していた。

 学校現場でも、児童・生徒へのわいせつ問題を起こした教員の処分情報が共有されていなかったとして、文部科学省は「教員免許管理システム」を大幅に改善する方針を決めている。

相次ぐ幼児被害、教訓に
 保育所に預けられた幼児らへの保育士によるわいせつ事件は全国で相次いでいる。だが、刑の確定情報の把握は容易でなく、苦慮した宮崎や広島県なども、国に対策を要望してきた。神奈川県平塚市の事件後、問題は国会質疑で取り上げられるなど注目され、厚生労働省の今回の方針につながった。

 被害に遭った幼児や親は深い心の傷を負う。平塚市の事件で起訴された男は、他の女児らへの強制わいせつなどの罪で2017年12月に実刑判決を受けたが、被害児童の親たちはこの公判の意見陳述で「(出所後に)また簡単に保育士になったことで(子どもが被害を受け)、一生苦しみます」などと訴えていた。

 ただ、関連省令を改正しても、保育所都道府県が逮捕や刑の確定情報を得る手段は、本人や家族ら関係者の申告以外にはマスコミ報道などに限られるのが実情だ。情報の把握には依然として課題が残り、実効性を疑問視する声も上がる。

 神奈川県の担当者は「保育所などが犯罪歴を適切に把握できるかどうかは疑問。グレーの場合でも、人手不足で辞めてもらっては困るから、報告しない保育所もあり得る。現実的な対策にならないのではないか」と懸念する。

 保育制度に詳しい櫻井慶一・文教大教授(児童福祉論、子育て支援論)は「適切な保育を受ける権利は保障されるべきで、不適格者が排除されるのは当然。ただ、都道府県域を越えた問題なので、保育士登録情報を国が一元化して直接管理し、市町村の犯罪歴の把握と結びつける工夫が必要ではないか」と提案した。