児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

A罪で実刑判決を受け上訴・保釈中に、その判決前に犯したB罪で裁判を受ける場合に再犯加重はあるか?

 昔は、家裁管轄事件(児童福祉法違反等)と地裁管轄事件(窃盗・覚せい剤児童ポルノ事件等)な泣き別れになって、量刑が重すぎたり軽すぎたりしたことがありました。
 どちらかが未確定の場合、「併合審理の利益」という難しい問題になりますが、「一方が先に確定してしまうと、後の事件が再犯加重される」というのは初耳でした。再犯加重というのは刑務所から出てきてから犯した場合です。
 先に実刑判決が確定すると、執行猶予の条件が変わるとか、未決通算への影響とかも有ると思いますが、再犯加重はありえない。

刑法第56条(再犯) 
1懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
2 懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。
3 併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。
第57条(再犯加重)
再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。

 こういう場合は運が良ければ併合罪として同時処理の可能性があったので、A罪とB罪が同時に審理されていた場合の量刑にするよう配慮してもらいます。具体的にはA罪の判決をB罪を審理中の裁判所に届けるなどします。

刑法
第45条(併合罪) 
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする
第50条(余罪の処理)
併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあるときは、確定裁判を経ていない罪について更に処断する。

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質問 2013年04月19日 11時46分

AH弁護士の回答 2013年04月19日 12時33分
確定前の方がいいですよ。確定後ですと、再犯加重があるので。
まあ、上告段階まで行ってしまっているので、事実審と併合される扱いは厳しいと思いますけどね。
とりあえず、示談書をまいて、嘆願書や反省文を書いて、心療内科精神疾患を治療して、その裏付けを検事に出して、不起訴を検事に懇願するしかないでしょう。