同旨の大阪高裁H16を見つけました。
児童淫行罪が併合罪になると処断刑期は15年になるんですが、業として周旋すると、かすがい現象で10年に下がります。
東京高等裁判所判決平成13年12月28日
【掲載誌】 高等裁判所刑事判例集54巻2号234頁
家庭裁判月報55巻3号96頁
東京高等裁判所判決時報刑事52巻1〜12号92頁
判例時報1792号159頁
【評釈論文】 判例評論547号35頁
第三 自判
そこで、刑訴法三九七条一項、三八一条により原判決を破棄し、同法四〇〇条ただし書により、当裁判所において、更に次のとおり判決する。
原判決が認定した罪となるべき事実に法令を適用すると、原判示各児童に淫行をさせた点は、D子(原判示一)、C子(同二ないし四を包括して)及びB子(同四)の各児童ごとにいずれも児童福祉法六〇条一項、三四条一項六号(同一につき更に同法六〇条三項)に、原判示児童買春の周旋をすることを業とした点は、児童買春等処罰法五条二項(原判示一につき更に同法九条)にそれぞれ該当するところ、各児童に淫行をさせた点と児童買春の周旋をすることを業とした点は、それぞれ一個の行為が二個の罪名に触れる場合であるから、刑法五四条一項前段、一〇条により結局以上を一罪として刑及び犯情の最も重いC子に対する児童福祉法違反罪の懲役刑及び児童買春等処罰法違反罪の罰金刑で処断することとし、その所定刑期及び金額の範囲内で、前記情状を考慮して被告人を懲役二年及び罰金一五〇万円に処し、刑法二一条を適用して原審における未決勾留日数中三〇日をその懲役刑に算入し、その罰金を完納することができないときは、同法一八条により金一万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、原審及び当審における訴訟費用は、刑訴法一八一条一項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 中川武隆 裁判官 角田正紀 岡部 豪)