被害者は実刑+損害賠償を求めているのだと思いますが、命令に従って払うと、減軽されて、執行猶予になることがあるということも知っておいてほしいと思います。
弁護人からすれば、損害賠償命令が申し立てられた実刑事案では、控訴して、支払えば減軽される可能性があるということです。
わいせつ略取未遂 2審は猶予判決=広島高裁h22.2.9
2010.02.10 読売新聞
女子高校生を脅してホテルに連れ込もうとしたとして、わいせつ略取未遂罪に問われた、被告(45)の控訴審判決が9日、高裁であった。竹田隆裁判長は、「社会で更生するのが相当」として、懲役2年とした1審・地裁判決を破棄し、懲役2年、執行猶予4年を言い渡した。
刑事裁判の裁判官が損害賠償を審理する「損害賠償命令制度」が適用され、1審判決後に決定された賠償を、同被告が被害者側に支払っていることなどから、竹田裁判長は「被告は反省を深めている」とした。
わいせつ略取未遂の元銀行員に実刑判決 1400万円賠償求める=広島
2009.09.02 読売新聞
奥田哲也裁判長は「被害女性が受けた精神的打撃は大きく、重大。人格を顧みない、悪質な犯行」として、求刑通り懲役2年を言い渡した。
公判では、被害者側が損害賠償命令制度を利用し、判決後には第1回の審理が行われた。被告の弁護人によると、被害者側は約1400万円の損害賠償を求めた。
認容額は1400万円の1/7くらいじゃないかと推測します。こういう理由で実刑判決を書いた裁判官でも、民事の慰謝料の相場(死亡慰謝料が3000万円)を考慮するのでその程度の認定になるのです。