児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

短期海外滞在でも時効停止 最高裁が初判断

 立法者は今みたいに頻繁に海外に行くことを考えてなかったと思いますが、公訴時効の成立を狭める方向ということですね。

http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009102201000686.html
犯人が海外に数日間いたケースが、公訴時効停止の要件となる「国外にいる場合」に当たるかどうかが争われた詐欺事件の上告審決定で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は22日までに、「一時的な海外渡航でも時効は停止する」との初判断を示した。
 短期の海外滞在には時効停止規定を適用しないとの解釈が学説では有力で、決定は捜査実務にも影響を与えそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091022-00000121-jij-soci
被告は7年間で56回、計324日間海外渡航したが、1回当たりの渡航期間はほとんど10日未満だった。弁護側は「犯人が一時的に国外旅行をしても捜査に支障はなく、10日を超えない程度の渡航では停止しない」とし、起訴時点では時効が成立していたと主張していた。 

刑訴法第255条〔同前〕
1 犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつた場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。
2 犯人が国外にいること又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかつたことの証明に必要な事項は、裁判所の規則でこれを定める。

条解刑事訴訟法第3版増補版P462
一時的な国外旅行の場合には.住民地が国内にあって送達が可能であることから.この場合を含ませる必要はないと解されているが、訴訟法上の送達は被告人本人に対してなされなければならないことや、犯人が国外にいる以上はわが国の捜査権を実際上及ぼしにくい状況にあることに変わりはないことから. 単に国外旅行の場合も含まれるとの見解もある。